43 弁償
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かしら?藤木君に電話するわ・・・」
藤木は自分の部屋でボーっとしていた。
(あんなみっともない所見せた自分が情けないなあ・・・)
藤木は上級生に暴力を振るわれた笹山とリリィを自分で助けきれず、まる子の姉ら6年生に助けを借りた自分が恥ずかしく、頼りないと自覚していた。その時、電話が鳴った。藤木が出る。
『あの、藤木君、笹山だけど』
「え、笹山さん!?」
『今藤木君が気になってリリィさんの家から掛けているんだけど、藤木君は何も助けてくれなかったわけじゃないわよ。だから元気出して。あの時、藤木君と山根君に会っていてよかったってリリィさんも言ってたから、だから落ち込まないで・・・』
「あ、うん、ありがとう・・・」
『昨日は助けてくれてありがとう、じゃあ、また明日ね』
「あ、うん、さようなら」
お互いは電話を切った。藤木は笹山に言われて少しは安堵することができた。
笹山は電話を切った後、リリィに藤木は自分も好いていることを言うべきか迷った。
「リリィさん、藤木君は卑怯って言われているけど、本当は悪い人じゃないから信頼してあげて」
「そうね・・・、私もそうは見えないし」
「でも藤木君、すごく迷っている事があるの」
「え?」
「藤木君はリリィさんに会う前から、私の事も好きになっていたの」
「・・・え!?」
リリィは笹山の告白に驚きを隠せなかった。
「それで今リリィさんと私どっちにするか今すごく苦しんでるの。時間がかかるかもしれないけどどっちか決められるまで待ってあげて。藤木君と仲良くし続けてあげて・・・」
「そうだったのね・・・。分かったわ。私も藤木君を信じるわ・・・」
リリィと笹山、藤木が好意を寄せる二人はお互い藤木の心を理解しつつ、友であるようなライバルであるような関係を築くのだった。
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