43 弁償
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とリリィはさらに山根とも分かれ、まる子とその姉と共に、さくら家へ向かった。そして傷の手当てをしてもらい、絆創膏を貼ってもらった。その後、ココアをご馳走になり、さくら家を後にした。帰り途中、リリィが藤木に話しかける。
「藤木君、今日はありがとう・・・」
「え?で、でも、僕も結局一緒にやられたし、助けてくれたのはさくらのお姉さん達だよ・・・」
「でも、藤木君に助けてほしかったんだけど、あの時は急いでいたし、誰かに言うなって口止めされてたの。でも藤木君は気づいてくれたから嬉しいわ」
「い、いやあ・・・」
藤木はリリィがこんなみっともなくやられていた自分に礼を言ってくれるなんてやや恥ずかしく思った。リリィと別れると、もっと頼もしい男になりたいと自分で思うようになった。
(そうしたいならまず卑怯を治したいな・・・)
翌日、リリィは笹山に声をかけた。
「笹山さん、昨日は本当にごめんね。私のために人質になって、それに洋琴のお稽古まで遅刻させちゃって・・・」
「いいのよ、もう気にしないで・・・」
「あ、そうそう、あの後まる子さんのお姉さんたちがお金出してくれたから笹山さんの雑誌を弁償したわ。今日私の家に来れる?」
「え、いいの?わざわざごめんね・・・」
笹山はリリィの家に向かった。
「こんにちは」
「あら、あなたが笹山さんね。どうぞ上がって」
リリィの母が出迎えた。その時、リリィも現れた。
「来てくれたのね。はい、これよ」
リリィは雑誌の入った紙袋を確認した。笹山は受け取り、中を確かめた。自分が買ったのと同じ漫画雑誌だった。
「う、うん、ありがとう・・・」
「昨日はウチの子の問題に巻き込んで本当にごめんなさいね。クッキーとマドレーヌがあるから是非食べていって。紅茶もあるわよ」
リリィの母が謝るように笹山に言った。
「いえ、大丈夫です。リリィさんは全く悪くありませんので・・・」
笹山はリリィの母が好きなブランドのクッキーとマドレーヌをご馳走になり、紅茶も貰った。そしてリリィと笹山が話をする。
「そういえば藤木君も巻き込ませちゃったわよね」
「え、あ、うん・・・、あの時、途中で藤木君達に会ったけど、笹山さんに何されるかわからなくて言えなくて、でも私が嫌がらせ受けるところを見ていたから気付いて追いかけてきたのよ。もしかして誤解してた?」
「う、ううん・・・、そんな事ないわ。藤木君も知ってたんだ。だから来たのね」
「うん・・・。藤木君も誘ったんだけど、『僕は結局何も助けてやれなかったから』って断っちゃって・・・」
「藤木君、もしかして助けに行こうとして自分もやられて、恥ずかしく思っちゃったのかな・・・」
笹山もリリィも藤木を心配そうに思った。
「リリィさん、電話を借りていい
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