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鋼の錬金術師 貴方を守りたい――12人の巫女と1人の神――
第八章 異世界の現実
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とアデールは関わっているのか?」
リン「さぁ、それはよくわからない。死者何億人を出した大事件だからな。何処も被害が凄かったとゆことしか・・・。」
レンリ「そうか・・・・。じゃあ、もう一つの質問。」
少し残念そうな顔をしたがすぐに顔をあげ、キリッとした顔になる。
レンリ「なぜ、神は人に意思と力を与える・・・? 与えても滅びしか生まれないのに・・・。」
馬鹿が天文学的なことを言い出した。
リン「使う者の意思しだいで力の使い方は変わる。それに、神はかけたんじゃないか?」
レンリ「かけ?そんな、簡単な理由ではないと思う。もっと・・・なにか・・・裏があると私は思う・・・・クッ!!」
リン「レンリッ!!」
ランファン&フー「殿下ァ!!!」
突然レンリが苦しそうに胸を押さえ、その場に膝をついた。慌ててリンやランファン達が駆け寄る。
レンリ「大丈夫だ・・・・このくらい・・・・ッ!!」
こんなことを言っているが、レンリの額からは大量の汗が出ていた。この光景を見てリンはすぐに直感した、もう長くないと・・・。
レンリ「私には・・・時間がない!! ・・・少しでも早く・・・戻らないと・・・・ッ!!」
苦しそうな声でレンリは訴える。
ランファン「殿下ァ!しっかりしてください!!」
といいながら、ランファンはレンリの背中を優しくさする。苦しそうなレンリを見て、リンが思いつめた顔でレンリに聞く。
リン「そんな体でも、やり遂げようとするのか?」
レンリ「・・・あたりまえだ・・・・たとえ・・・お前たちやエドたちと・・・戦うことになったとしても・・・私は・・・神を殺すための
剣
(
つるぎ
)
となるッ」
『ガクッ』
言いたいことを言い終えると、リンに体を預ける形で倒れこむ。
リン「レンリも俺と同じという事か・・・。」
倒れこんだレンリを見てリンは静かにそう言う。そして、ランファンとフーのほうを見て、
リン「ランファン、フー、俺たちの進む道はレンリと戦うことになるかもしれないし、沢山の人間と殺り合うことになるかも知れない道だ。だがその時は躊躇せず、前だけ見て進め!レンリも前だけ見て進んでいるのだから。」
ランファン「分かりました。」
フー「若の進む道を切り開くのが我らの務めですぞ、若。」
リン「ああ、そうだったな。」
そして、リンたちは夜空に輝く満点の星空を静かに眺めた・・・・。リンの心には、たとえ愛するレンリと剣を交えようとも後ろを見ずに前だけ見ようという決意が込められた。それは、ランファンやフーも同じなのかもしれない。
そして、もしかしたら静かに涙を流しているレンリも・・・・。
――今日の夜はとても静かな夜だった――
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