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儚き運命の罪と罰
第十一話「決着をつけよう」
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配した感情は諦めだった。

「そう言うこと...だったのね。」

まるで、悪い夢でも見たかのような口調で呟いた。

「どういう意味だ、プレシア。」

そう尋ねたのに対しても力なく笑って応じるだけにとどまった。
とてもさっきの気が狂った様子からは想像もできないほど、静かな口調でプレシアはリオンに告げた。

「リオン・マグナス。良い事と悪い事をそれぞれ一つ...教えてあげるわ。」

「なに...?」

「あなたもフェイトも...この次元震に巻き込まれて虚数空間に落ちても、死ぬ事はないわ。」

「なんだと...どういう意味だ?」

「それが良いこと、ということよ。その代わりに...あなたはこの次元世界で大きな敵を作る事になる。」

「敵?」

「そうよ。」

短く答えて、プレシアは泣きそうな顔になって微笑んだ。

「さよなら、リオン・マグナス。地獄と言う物が本当にあるのなら...またいつかそこで私達は会うことになるでしょう。その時あなたから聞ける土産話を楽しみに待つ事にするわ。」

「だからそれはどういう意味だと聞いている!」

そう言ってプレシアはシャルティエの刃を掴んだ。手から血が出るのも構わずにそれを抜いた。

「なにをするんです!?」

「なんのつもりだプレシア!」

その時プレシアの背後から(オレンジ)色の弾丸が駆けて来るのが見えた。弾丸は何かを叫んでいた。

「リオン!フェイトォ!」

それを聞いてアルフだとわかった。まるでスローモーションの映画のように、プレシアはゆっくりとシャルティエを放した。
支えを失ったリオンとフェイトは虚数空間に落ちる、落ちる。
アルフがそれを追う様にこちらに飛び込んでくるのさえ、おそろしく遅く見えた。

「坊ちゃん!」

シャル、と呼び返そうとした。
リオンはシャルティエとフェイトの手を握ったまま虚数空間に落ちていった...
その様子をみながらプレシアがぽつりと呟いた。

「私は人生の賭けに負けたのね...ごめんなさい、アリシア...フェイトも...」

そしてまたプレシアも追う様に、虚数空間に身を投じていった。




P.T事件と呼ばれる一連の事件は終結した。
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