第十一話「決着をつけよう」
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「ああ、あの程度で僕達を止めようなどとは片腹痛い...どうした、二人とも。」
目をパチクリさせながらアルフは言った。
「アンタ...あんなに強かったんだね。知らなかったよ。」
少々困ったような顔になって肩をすくめた。
「それはどうも...と言いたい所だが、あれで褒められても全力を出してない身としては微妙だな。」
晶術も使っていないし、とシャルティエが付け加えた。
「それにこんな所で全力を出すわけにはいかないだろう?本命はあの中にいるんだ。」
フェイトとアルフは思わず顔を見合わせた。あれで全力じゃない...確かに言うとおり晶術は確かに使っていなかったがあの口ぶりだと剣術の方も例外ではないようだ...全く底知れないとはこの事を言うんだねと半ば投げやりにアルフがぼやいた。
(スピードには自信があると思ってたけどあれは...じゃあ他は比べるまでもない)
圧倒的、と一言ではきっと済ませられない差を確かにフェイトは感じた。
俯いていたとき、軽くポンと肩を叩かれた。
「…お前も鍛えればあれ位にはなれる。」
「えっ?」
そう言って振り向くと、彼はスタスタと時の庭園の内部に向かって歩いていくところだった。
「わ...私そんなに顔に出てかな?」
彼らしくぶっきらぼうだったが、あれは確かに気遣いだった。
思わず立ちすくんでいるとアルフが不思議そうな顔でフェイトの顔を覗き込んだ。
「フェイト?」
「あ、なんでもないよ。」
アルフには今のは聞こえなかったらしい。
「行こう。置いてかれちゃう。」
「あ、ああ。そうだね。」
歩いていてリオンは思わず苦笑いをしていた。思わず口をついて出てしまった言葉だったのだがリオン自身、らしくもないと思っていた。
(でも存外に悪い気はしないな...)
思えば今だかつてリオンは自分より年下と共に戦う事は余りなかったかも知れない...いや一人いたがあれはウッドロウにべったりしていたので自然に対象から外した。それにフェイトとリオンのように近い戦い方をしていたわけでもない。素早さに物を言わせての撹乱、力よりも技、『相手より先に』を重視する戦闘方針。とは言え並べればフェイトの技は彼女が赤面するであろう程に未完成だったが。それもあるのかも知れない。リオン自身は今までそういう経験が皆無だったからこそ知る由もなかったがリオンがフェイトに感じたのは『兄心』だった。
さて、いよいよ時の庭園内に入って見渡すとさっきとは比べ物にならない数の辺りを埋め尽くす敵、敵、敵
(三下とは言えよくもまあここまで揃えた物だ)
と考えている間にもう一発目の魔力弾が飛んできた、振り返ることもなく魔力弾を斬って潰す。
「目障
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