暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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テルンベルクの屋敷ではないことが判る。少し気怠いけれど上半身を起こし、窓から外を眺める。アムルじゃない。街の外観からして隣街のヴレデン。
状況を知るためにモニカかルファに思念通話を繋げようとするも、「魔力が空っぽだわ」諦める。しょうがなく部屋を出る事にした。寝台から足を出し、「元に戻ってる・・・!」竜の尾ではなくちゃんと私の両足だった。

「オーディンさん・・・本当にありがとうございます」

改めてオーディンさんに感謝をし、寝台の傍に置いてあった靴を履く。歩けることに感動を覚えつつ部屋を出る。廊下は消毒液臭いため、ここは病院・・? とりあえず外へ出てみることにした。陽の高さからして夜が明けたばかり。
少し辺りを歩いていると、「そんなの嫌ですッ!」悲痛な叫びが聞こえた。「エリー・・・?」の声で間違いない。声のした方へと向かう。その間にも、「なんでそんな事を言うんですか!」や「嫌ったら嫌です!」エリーゼの叫びが続く。
辿り着いたのは、早朝と言う事もあって閑散としている公園。その中央で、エリーゼが1人ジタバタ暴れながら喋っていて、「え? なに?」少し引いた。

「エリー・・・」

「――の馬鹿ッッ!・・・って、アンナ・・・?」

私の声に反応して振り向いた泣き顔のエリーゼに「・・・おはよう、エリー」と挨拶をする。するとさっきまでとは打って変わって「アンナ・・・アンナ!」目の端に涙を浮かべながらも満面の笑みとなって私に駆け寄り、「アンナ!」飛びついて来た。しっかりと受け止め、「エリー。どうしたの?」と今しがたの独り言について訊いてみる。

「え?・・・あ、うん、そう聴いてよ! オーディンさんが馬鹿なの!」

『馬鹿て・・・。待ってくれ、エリーゼ』

どこからともなくオーディンさんの声が。というか「何? この胸の高鳴りは・・・?」オーディンさんの声を聴いただけで心臓が早鐘を打つ。それに顔も火照りだして。まさか・・・嘘、そんな・・・私、オーディンさんに・・・・

「オーディンさん、馬鹿じゃないですか! エテメンアンキ攻略の為に、犠牲になるなんて!」

まずそのエテメンアンキというのは何なのかしら? 攻略と言うからにはイリュリアの兵器か騎士団か、あるいは融合騎か。

『誰も犠牲になるとは言っていないだろう。多少の記憶消失は免れないだろうが、何千万と言う人命を救うのなら安い代償だ』

「その代償の中に、わたし達との思い出が在ったらどうするんですか!」

エリーゼの言葉に心臓が跳ねる。オーディンさんに忘れられる。それがすごく恐ろしい。ダメだわ私、やっぱり・・オーディンさんに恋してる。どうしよう。叶わない、叶えるわけにはいかない想いなのに。ドキドキしながらオーディンさんの声がする場所に目をやる・・・ん? 小鳥が一羽・・・
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