暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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力を持つ人がもっと居ればいいのに・・・」

「魔力核を2つ持っていて、それを口づけだけで相手に供給できるなんて便利な能力、そうそう無いわ」

「そうだよね・・・。えっと、それじゃあ・・・う〜ん・・・」

『もういいよエリーゼ。それにアンナも。気持ちだけ――』

「いいえ、ダメです!」

ピシャリとオーディンさんの言葉を遮る。エリーゼが少し驚いているけれど、今はオーディンさんの記憶を失わない方法を探すのが重要だわ。

「連続供給が出来ればいいのですよね。確かオーディンさんは魔力吸収の魔導を持っていましたね・・・?」

『ああ。女神の救済(コード・イドゥン)という魔道があるが・・・。ん? 待てよ・・・。もしかして・・・いや可能かもしれない』

オーディンさんが何か閃いたようで、少し黙り込む。エリーゼと顔を見合わせ、オーディンさんの言葉をじっと待つ。そして『エリーゼ。アンナ』名前を呼ばれ、「はい」エリーゼと一緒に返事をする。

『君たちのおかげで何とかなりそうだ! ありがとう、感謝する! 大好きだ2人とも!』

オーディンさんに、大好きだ、と言われ、私はもう嬉しすぎて何も言えなくなってしまった。エリーゼだって「はぅぅ」耳まで真っ赤にしてもじもじしている。そんな事などつゆ知らずオーディンさんは『エリーゼ。君に頼みたいことがある』そう前置きし、エテメンアンキ攻略についての簡易な計画案を私たちに話した。
正直、「そ、そんな事が出来るんですか!?」「それこそ無茶・無理・無謀ですっ!」だわ。ちなみに前者はエリーゼ、後者は私の発言よ。オーディンさんが計画で行おうとしているのは、もはや人間業じゃないもの。

『ふふ。これでもかつては孤人戦争と恐れられたほどの猛者だったんだぞ私は』

孤人戦争と恐れられていた。その言葉に、あぁ間違いない、と一気に覚める。オーディンさん、あなたはやっぱりルシリオン・セインテスト・アースガルドさんなのね・・・。

「孤人戦争・・・ですか?」

『私個人の有する魔道の火力が、独りで戦争を戦い抜けるだけのものだという事で付けられた、ある種の忌み名だ』

「そ、それはまた凄そうですね・・・」

エリーゼの戦慄を余所に、私は「その計画は、どの国、どの地域で行いますか?」と尋ねる。

『今からクラウス達と話し合って決める。場所が決まり次第、もう一度連絡をつける。それまで待っていてくれ。・・・それでだエリーゼ、その――』

「オーディンさんのお役に立て、そしてエテメンアンキ攻略の重大な役目を担う事が出来るんです。それって、とても光栄な事ですよ」

『ありがとう』

オーディンさんの感謝の言葉を最後として小鳥がチュンチュンと本来の鳴き声を出す。

「ねぇ、エリー」

「ん?
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