ターン82 邪魔の化身とラスト・『D』(魔)
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クッション代わりになってもらい、そのまま気を失ったのを確認して立ち上がる。そのあたりでただ茫然としていたレポーターのお姉さんがようやく我に返り、カメラマンに合図を送って実況を再開する。
「こ、これは前代未聞の事態です!デュエルを中断して突然現れた2人の乱入者、彼らはいったい何者だというのでしょうか!?そしてその目的は!?どうやら、何か1枚のカードを持っているようですが……?」
「明菜さん、それを……えっと万丈目、これどうすりゃいいの?」
「……最後まで締まらん奴だな、お前は。そこのVIP席に千里眼グループの会長がいるから、まずはその人に確認してもらえ」
「だって、明菜さん」
「はいはーい。会長さん、このカードでいいのかしら?」
明菜さんが表向きにかざしたカードは、エドのD−HERO特有のカード名部分が青い文字で印刷された特別仕様で……なんだろうあれ、融合モンスター?少なくとも、かなりレベルが高いのは見て取れる。
「それは間違いなく、紛失していた最後のDカードだ。マイク、なぜ君がそのカードを持っているのかね?」
「そ、それは……」
「言いたくないなら僕が言おうか。アンタがカードを盗み出すなんて卑怯な手を使ったせいで、エドは引退に追い込まれたんだ。違う?」
無言で唇をかみしめ、下を向くマイク。その沈黙が、十分に肯定の意思を表していた。
「なるほど……エド、理由が何であれこうしてカードが見つかった以上、君の引退する理由はもはやない。そのカードを使いこれからもプロデュエリストとして、よりいっそうの活躍を期待しよう。そこの君、すまないがそのカードはエドに渡してやってくれ」
「はーい、どうぞ」
「会長……」
明菜さんが手渡したカードをエドが受け取り、それをエクストラデッキに入れる。これで一件落着、といけば文句なかったのだが、まだ何かひと悶着あるらしい。絶望した様子で縛られていたマイクが暗い目になって突如立ち上がり、止める間もなく大声でわめき散らす。
「き、聞けぇ!確かに俺があのカードを盗んだ、だがそれなら、そこの万丈目はどうだ!?奴は俺と組んでイカサマ試合をした、そうだろう?つまりと奴は同罪、なあ万丈目ぇ!」
「な……なんと、これは衝撃の告白です!エド・フェニックス引退の真相は1枚のカードの盗難であり、その犯人が見つかったかと思えば、当人の口から明かされたおじゃ万丈目のイカサマ疑惑!おじゃ万丈目さん、今の言葉は真実なのでしょうか!?」
「……ああ、本当だ」
吐き捨てるようにして呟いた言葉に、レポーターもまさか肯定されるとは思わなかったのか言葉を失ってしまう。
次から次に訪れる展開による混乱が会場を埋め尽くし、誰もがシンと押し黙った。そんな針一本落とした音ですら響き渡りそうな静寂を切り裂いて突
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