第二幕その二
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「はじめてだから失敗したり拙くてだよね」
「笑われたり変に思われるか」
「そう思ったら駄目なんだ」
「かえってだね」
「そうしたことは一切恐れないで」
そしてというのです。
「やるんだ」
「それが大事なんだね」
「うん、そしてね」
「そしてだね」
「どんどんやってね」
そのはじめたことをです。
「楽しんでいけばいいんだ」
「上手下手は関係ないんだ」
「それをしたい、好きなら」
「それならだね」
「他の人がどう思うとかね」
それこそというのです。
「どうでもいいんだ」
「自分が楽しむんだ」
「どんな学問でもそうだし」
「和歌もだね」
「そうしていくといいんだ」
「成程ね」
「だからね」
それでというのです。
「王子もだよ」
「楽しめばいいんだ」
「和歌もね」
「わかったよ、じゃあね」
「うん、楽しむんだね」
「今日のうちに参加の願書を出すよ」
まさにそれをというのです。
「そうしてくるよ」
「それがいいよ」
「それじゃあね、あとね」
「あと?」
「いや、この和歌会って色々な人が参加するよね」
王子はここで先生にこうしたことも言いました。
「そうだよね」
「うん、そうだよ」
「生徒の人達も」
「中学生や高校生の子達もね」
「大学生の子達も」
「参加するよ」
そうだというのです。
「僕達先生達も職員の人達も」
「誰もね」
「そうなんだね」
「小学生の子達もだよ」
先生は笑って子供達もというのです。
「参加するしね」
「へえ、子供達もなんだ」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「参加したい人はね」
「誰でも参加出来て」
「楽しめるんだ」
「それはいいね」
「そもそもね」
「そもそも?」
「和歌は誰もが謡っていいものだから」
先生は王子にミルクティーを飲みつつ笑顔でお話しました。
「謡おうと思えば」
「その時はなんだ」
「昔からそうだしね」
「ああ、万葉集の頃から」
「名もなき防人の人や庶民の人も謡ってるよ」
「皇族や貴族の人達だけでなくて」
「本当に誰もがね」
それこそというのです。
「謡っているんだ」
「それはまた」
「凄いね」
「うん、そこまでなんて」
「僧侶や神主や武士の人達も謡っていて」
こうした人達もというのです。
「戦の前にも連歌会とかしたりしているんだ」
「へえ、戦の前に」
「そう、武士同士のね」
「それは優雅だね」
王子は先生がお話する日本のそのならわしについても言いました、聞いて驚いたお顔になっています。
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