40 人質
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の事は気にしないでくれ!!」
「そんな!」
「うるせえ、ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!」
藤木が二人の女子に殴られ、蹴られる。二人は痛々しくて離れられなかった。
藤木がやられる様子を遠くで見ていた山根は非常に動揺していた。
(藤木君が大変な目に・・・、た、助けを呼ばないと・・・!!)
山根は助けを呼ぼうとしたが、痛々しい光景を見せられて胃腸が痛くなってしまい、動けなくなってしまった。
(う・・・、肝心な時に・・・、なんで胃腸が痛くなるんだ・・・!!)
藤木は一方的にやられるわけにはいかないと思い、反撃に抑えつけている茉友という女子の顔を身動きが取れる手で拳を握って殴った。
「あ!おい、また女子に暴力振ったな!」
「じゃあ、どうしろっていうんだ!?」
「さあな!」
もう片方、理子と言う名の上級生が藤木の股間を蹴った。藤木が蹴られたところを抑える。
「へへ、立ち向かった割にはよえーな!」
藤木には為す術がなかった。相手は女子とはいえ、女子を殴ったら問題とか言って、逆に相手は平気で自分や笹山を痛めつけ、もはや自分より卑怯だと藤木は思った。リリィは我慢できなくなり、叫んだ。
「お願いですから、藤木君に手を出すのやめて!本あげますから!もう邪魔しませんから!だからお願い・・・」
リリィは泣いて藤木の解放を乞う。
「リリィ、ダメだ、その本は君のものだから、あげちゃダメだ・・・。僕の事はどうなっても構わないから・・・」
藤木はリリィに言った。
「リリィさん、本当にいいの・・・?」
笹山が心配して聞いた。
「もういいのよ・・・」
「へへ、手間かけさせやがって・・・」
理子が受け取ろうとする。しかし、藤木が理子に飛びついた。
「や、やめろ・・・!」
藤木が理子の上にのしかかって言った。
「てめえ、どこまで邪魔しやがんだ!ふざけんな!」
理子が振り払おうとする。
「おい、茉友、こいつ何とかしてくれ!」
「わかった!」
茉友が藤木に近づく。笹山が思わず藤木を助けようとして茉友を羽交い絞めにした。
「やめて、藤木君に手を出さないで!」
笹山が茉友に言う。
「あ、お前も邪魔すんなよ!人質の癖して!」
茉友が笹山の足を踵で蹴る。
「さ、笹山さん!」
藤木は笹山の方を向いたが、その隙に理子に胸に肘打ちされた。
「ったく、邪魔すんじゃねえよ!のしかかりしやがって、このエロ野郎!!」
藤木は理子に勢いをつけて顔を蹴られた。
「藤木君、どうしてそんな・・・」
「リリィ、逃げるんだ・・・」
藤木はリリィに逃走を促す。
「え、でも・・・」
「オラ、さっさとよこせよ!」
理子が勢いで迫る。しかし、それまで茉友を羽交い絞めにしていた笹山が押しのけるように手を放し、理子の元
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