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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第93話 一尾
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は脱出等不可能に近かった。

「作品に出来りゃ......フウエイを超える傑作だったかもな」

傀儡師は他の忍とは違って事前準備を欠かす事が出来ない戦闘スタイルだ。
ありとあらゆる事態を想定して傀儡人形に罠を仕込む。
相手の心理を利用して用意していたトラップへと誘う。
危機管理能力が人一倍高くなければ到底こなすのが難しい。

黒ゼツが生存する為にはマダラの死体を捨てて、スライム状になって這い出てくりしかないが計画の要......というより全てに近いマダラの肉体を捨てる事は出来ないでいた。
マダラの肉体を持ってしても言いようのない格の違いを見せ付けられた黒ゼツは奪われつつある視界から空を見上げる。
花火のように上がるレベルアッパーの光線が断裂していく様子を眺める。


シクジッタヨウダナ......
俺モアイツモ

「さすがに溶岩に沈めれば死ぬだろうな」
とサソリが呟くと同時に砂の塊となって沈んでいくマダラの身体の上端から蒼い光が漏れ出して稲妻のように辺り一面を照らし出した。
「!?」
一気に砂の術が分解されて中から青色のホログラフのように霞むマダラの身体だった。
手に刺さっていた鉄骨を乱暴に抜き去ると上へと投げ上げる。
ゆっくりと回転しながら重心だけが綺麗な放物線を描いて落下してくるのに合わせて帯電した腕を突き出して高速で鉄骨を射出させていく。

「ぐっ!?」
まるで槍のように真っ赤になった鉄骨がサソリの左胸を貫き、地面に着弾すると火花を散らしてアスファルトを引き剥がして軽く爆破した。

「ヤハリナ......コノ世界デハ術ノ発動ニ印ヲ結バナクテ良イラシイ......」

黒ゼツは身体半分を乗っ取りレベルアッパーの残光を電撃に変えて、両腕に雷を集中させた。
砂の粒が消し飛んでマダラの指が自由に動き始める。

「はあはあ......チャクラが足らん」
胸元にぽっかりと穴が空いたサソリはまだ身体を保てていることに安堵した。
大電流を使っての超電磁砲であるが熱電対により本体の鉄骨に熱を帯びていた事が幸いしていた。
だが、状況は更に増して酷い方向へと傾いていた。

「容赦ハ無シダ......」
復活した指で印を結び、黒ゼツは学園都市の上空に浮かんでいる月に掌に開いている輪廻眼の手をかざすと真っ暗闇の学園都市が真っ赤に色付けされたようになっていく。
「!?......」
真っ赤になった月の表面に輪廻眼と写輪眼が合わさったような紋様が浮かぶと黒ゼツを強く照らし出していく。

「サテ......影十尾ノ復活ダ」

******

サソリを援護していた湾内達がビルの屋上から一階のビル入口へと息を切らしながら急いで出てくると火花を散らした金属片が周囲を巻き込み爆発していく。


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