第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
守鶴
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付け始めていた。
「ナルトォオオオ!!」
サスケが叫ぶ。助けにいこうと思っても、呪印の痛みの反動に体は思うように動かず、サスケは両手を前に突いた。体を支える腕が震える。
――さっきの分身で、チャクラは、もうっ……
砂が喉を締め付けようとする。ぎゅ、と目を瞑ったその時、不意に脳裏に浮かび上がるサクラの姿。
――サクラちゃん
心を決める。口元から流れ出た血を指先で拭う。砂が完全にナルトを包囲する。
――これで終わりだ! 砂漠そうそ――
「口寄せの術ッ!」
砂が現れる。煙と共に現れたのは、守鶴に匹敵するほど巨大な姿。
ナルトが前回九尾にチャクラをもらって口寄せしたことのある、ガマ吉の父親。――ガマブン太。
影分身であんなにも多量のチャクラを消費したというのに、まだこんなに巨大なものを口寄せできるチャクラが残っていたとは。目を瞠るサスケは、ナルトが宣言するのを聞いた。
「サクラちゃんは……俺が守る!」
守りたい人がいる限り、諦めることは出来ない。
そして守りたい人がいる限り、自分はもっと強くなることが出来る。
守りたい人がいる限り。
もう、負けられない。
そんなナルトとサスケを見ていた烏が、ばっと空に飛び上がった。
+
「――――!」
「……どうしましたか、イタチさん?」
破壊の真っ只中、店で団子を食っている二人組とは実にシュールだった。様子をずっと見させておいた影分身の変化である烏から受け取った情報にイタチは目を細める。
「一尾の人柱力が完全体になったらしい」
「……いいんですか、本当に」
そう告げれば、鬼鮫がぽつりと言葉を投げかけた。何が。そう答えて見せれば鬼鮫は黙り込む。彼が言っていたのは弟のサスケのことだろうというのはわかっていた。だが暁では相手の過去について触れないことが暗黙の了解となっている。鬼鮫もこれ以上深入りしてはいけないというのはわかっているのだろう。
だが流石に鬼鮫も疑いをもち始めた頃かもしれない――大蛇丸の粛清が言い訳に過ぎないかもしれないということなど。何かその疑いを徹底的に晴らしておける理由があればいいのだが、とイタチは一人思った。
サスケを守るために、自分は悪役でいなければならない。サスケに僅かでも自分の真実を知らせては、いけない。
+
最初は杯を交わしていないといって協力を渋っていたガマブン太を説得してくれたのは、ガマ吉だった。
守鶴にいじめられたのをナルトに守ってもらった、その言葉にやる気になってくれたようである。
〈ガキ。お前を子分として認めちゃろう。――しっかり捕まっとけ!〉
刀を構えて突進し始めたガマブン太の巨躯に捕まる。巨大であるが故に一歩一歩の歩幅が大きい
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