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とある3年4組の卑怯者
39 追行(ストーキング)
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てくれ!」
 藤木が懇願した。
「るせえな、引っ込んでろ!」 
「でも、暴力なんてそんな酷いことを・・・!!」
「あ!?オメエには関係ねーよ、バーカ!!」
 藤木はどうするか迷った。ここでリリィを救うために上級生を殴ったら、反抗と思われる上、相手は女子であるので、逆に自分が悪者になるのではないかと思った。しかし、何もしないで上級生達が止めるはずがない。
「な、なら先生呼ぶぞ!!ここは校庭だから大声で呼べば職員室にも届いて先生たちが駆け付けるぞ!それでもいいのか!!」
「あ、やれるもんならやってみろ!」
 藤木は挑発に乗り、大声で助けを求めた。
「やべ、本気で呼びやがった!!」
「チッ!!」
 上級生たちは乱暴にリリィを放して校舎へかけて行った。
「藤木君、ありがとう・・・」
「あ、いや・・・、でも何があったのかい?」
「実は昨日買いたい本をあの人達に立ち読みされて、で、何とか買えたんだけど、その後よこせって迫ってきて・・・。その時は笹山さんが買った雑誌を身代わりで差し出して逃げたんだけど・・・」
「え・・・?笹山さんが買った雑誌をかい?」
 藤木は驚いた。
「ええ、笹山さんが自分の買った本を犠牲にしてくれたんだけど、申し訳なくて・・・」
「それであの上級生たちがつけ狙っているわけなんだね」
「うん・・・、それに笹山さんの雑誌を弁償したいんだけど・・・」
「何なら僕も半分出すよ!」
「いいの?ありがとう・・・」
 藤木はこの時ばかりは紳士的に振舞った。

 笹山は給食当番で他の当番と共に給食室に行っていた。その時、急に横から腕を掴まれた。昨日の女子二人組だった。
「おい、昨日は卑怯なことをしてくれたな!」
「え、あの、その・・・」
「な、何だよ!?」
 一緒にいたはまじが上級生に向かって吠えた。
「暴力はやめるブー!」
 ブー太郎も止めに入った。笹山の腕を掴んでいた上級性が面倒になると思ったのか笹山の腕を放した。
「覚えてろよ!」
 そう言って上級生たちは離れた。
「笹山、大丈夫か!?」
 はまじが心配して聞いた。
「う、うん・・・」
「でも卑怯なことしてくれたって失礼だね!笹山さんは藤木と違って卑怯なことしないよ!」
 まる子が笹山を庇う発言をしたが、笹山は昨日相手を騙して逃げたことに卑怯かもしれないと感じた。

「え、笹山さんもやられたの?」
 昼休み、リリィは笹山から給食を取りに行く途中で上級生に絡まれたことを聞いた。
「怖いわね・・・」
 藤木は二人の話に耳を傾けていた。
(そうか、あの時は笹山さんもいたんだ・・・。何か可哀想だな・・・)
 次の授業は音楽だった。音楽室に行く途中、リリィが後ろから頭を殴られた。振り返ると、例の上級生二人組だった。
「おい、テメエ!
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