第18話 4人の伝説
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標指定! 訓練生崩れだからってナメんじゃねぇ!」
「アーマンドさん……!」
「さぁ、行くぜアスカ! てめぇがうぬぼれ野郎かどうか……俺達に見せてみろよッ!」
「……ッ!」
ソラスは痛みの余り、火炎放射を中断している。砲口を向けられている状態で、完全な無防備となった。
――もはや、何も躊躇うことはない。
(かのん……オレは、やっと……)
リュウジは痛みも苦しみも顧みず、ただ渾身の力を込めて指を引き――6方向に飛ぶ弾頭を、発射した。
反動でアーマンドが後方に転がり、支えがいなくなったことで、リュウジもバランスを保てなくなり転倒する。
そんな彼らを尻目に、駆逐すべき巨獣を狙う弾頭に群れは――見事に、その使命を全うした。
衝き上がる爆炎。轟く爆発音。響く断末魔。全てが同時に巻き起こり、吹き抜ける爆風が戦場を席巻する。
巨獣だったものが辺り一面に散らばり、その命に終焉が齎されたのは、その直後だった。
「リュウジ! アーマンドッ! 2人とも大丈夫!?」
「に、義兄さん! 義兄さんッ! しっかりしてッ!」
「……へへ、どうよ。俺達も、わりかし捨てたもんじゃねぇだろが」
「えぇ……そうですね。『うぬぼれ銃士』の、完敗です」
「もう捨てちまえ、そんな名前」
「え……?」
――そして、全ての終わりを悟った時。土埃が晴れた空は、青く澄み渡っていた。
仰向けに転がったまま動けない、リュウジとアーマンド。そんな2人に駆け寄るフィリダとかりん。彼ら4人を、その青空が静かに見下ろしている。
「『伝説の男』がいねぇ時代に、『伝説の男』じゃなきゃできねぇことをやってのけたんだ。『うぬぼれ』なんて、もう誰にも言わせねぇよ」
この時代に築かれた――新たな伝説を。
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