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うぬぼれ竜士 ~地球防衛軍英雄譚~
第8話 義妹が来た!
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ちょっと朝から張り切り過ぎただけだ!」
「こるぁー! アーマンドぉお! 聞こえてんのよ、このチンピラ隊員っ!」
「やかましい、このスピーカー女っ!」

 だが、その華やかな笑顔を向けられないただ一人の男――アーマンドとは、いまいち反りが合わないのか。公私問わず、彼らは顔を付き合わせる度に、こうして口喧嘩を繰り返している。
 そんないつもの光景を、リュウジは苦笑いを浮かべて見守っていた。

 ――だが。眼鏡を外し、ロンドン基地の方向を見遣る彼の目は。

(副司令……か。まさか、こうも早く迎えが来るとはな)

 どこか憂いを帯びた眼差しで、青い空の向こうを見つめていた。

 ――その視線の、遥か彼方の上空では。

「ロンドン基地上空に到着。間も無く降下します」
「ああ。……かりん、もうじき彼にも会える。失礼のないようにな」

 EDFの戦闘ヘリ――EF24バゼラートの蒼い機体が、ロンドン基地上空を滞空し――ゆっくりと、着地点に向かっていた。
 その機内では、パイロットとその後方に座る初老の男性が、静かに言葉を交わしている。

「……わかってるわ、お父様」

 男性の隣には――黒髪のショートボブと色白の肌を持つ、絶世の美少女が腰掛けていた。
 流暢に日本語を喋っていることから、父と呼ぶ男性と同じ日本人であることが窺えるが――ペイルウイングのスーツを纏う彼女のスタイルは、あまりにも日本人離れしている。
 豊満に飛び出した胸や、肉感的な臀部。芸術的なくびれ。どれをとっても女性らしさが激しく強調されており、見る者を虜にする美貌まで備えていた。

「迎えに来たわ……竜士義兄(にい)さん」

 空の上から英国の街並みを見下ろす、艶やかな黒い瞳は――愛おしげな色を帯びている。その白い手には、一つのロケットペンダントが握られていた。

 そして。そんな彼女の脳裏には今――ある青年の姿が刻まれている。

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