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水の国の王は転生者
第四十一話 二人の結婚
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の嫁入り用に豪華な鏡台が新しく置かれていた

「いやはや、しこたま飲まされた上に子一時間のダンスは流石に無理があった。カトレア、疲れてない?」

「すごく疲れましたけど、とても楽しいひと時でした」

「そうか、良かった」

 着替えるのも億劫だった二人は、何とか服を脱ぐと、全裸に近い姿で巨大なベッドの上に寝転んだ。
 火照った身体にひんやりとしたシーツの冷たさが気持ちいい。

「よっと」

 マクシミリアンはカトレアの側まで近づくと、カトレアのピンクブロンドの髪に触れて指の間にからめて弄んだ。

「すごく綺麗な髪だよ」

「マクシミリアンさまも……」

 カトレアもお返しとばかりに、マクシミリアンの紫色の髪に触れた。

「汗で濡れてないかな」

「気にしませんよ」

 そして二人は合図が合ったわけでもなく、自然に抱き合った。

 胸と胸が重なり合いお互いの心音が感じられた。

「この心臓のお陰で、わたしは今も生きていられるんです」

「うん」

 その後も、二人は胸と胸とを重ねあい、お互いの心臓の鼓動を確かめ合った。
 例えれば子供の事、横断歩道の白い部分を踏まないように歩く遊戯的なものだったが、二人にとっては神聖な儀式の様に感じられた。
 二つの鼓動は違うリズムを刻んでいたが、いつしか同じリズムへと変化していった。

 やがて、二人から寝息が漏れ聞こえた。
 初夜にしては色気が無かったが、仲睦まじく二人は抱き合って寝た。


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