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とある3年4組の卑怯者
38 書店
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いたい本があってね」
「へえ・・・、私も今行ってきたところだよ・・・、クックック・・・」
 野口は買った本をリリィに見せた。
「『月刊お笑い』・・・。お笑いって確か落語とか漫談とかいうので人を笑わせる芸の事よね?」
「その通りだよ、私これ毎月買ってるんだ・・・」
「へえ、私も見てみたいわね・・・」
「テレビでもよくやるよ・・・。是非見るといいよ・・・。クックック・・・」
 そう言って野口はリリィと別れた。リリィは油を売ってしまったと思い、走った。

 書店に到着した。リリィは『広島まちめぐり』の置いてあるところに向かおうとしたが、置いてなかった。いや、そこに見知らぬ女子二人がその本を立ち読みしていたのだった。見た感じ上級生のようだった。
「ねえねえ、ここ面白いじゃん」
「うわ、行きてー!」
(あ、どうしよう・・・。読み終わるまで待とうかな・・・?)
 その時、後ろから誰かがリリィの名前を呼んだ。
「あら、リリィさん」
 リリィは振り向いた。笹山だった。
「笹山さん」
「どうしたの?」
「実は買いたい雑誌があるんだけど、あの人達に読まれているの」
 リリィは指さした。
「読み終わるのを待ちたいけど時間が勿体なくて・・・」
「そうなの・・・、頼んでみるわ」
「ありがとう」
 笹山はリリィと共に二人組の女子の前に向かい、話しかける。
「あの、すみません」
「あ、何だよ?」
 片方の女子が返事した。
「あの、その本私の友達が買いたいのですが、いいですか?」
「あ、うるせえな!」
 もう片方の女子がイラついて言い返した。女子にしては非常に口が悪かった。
「理子たちが読んでからにしろよ!」
 先に応答した女子は自分の名前を一人称にして言った。リリィも自分から頼もうとする。
「でも、私その本欲しいんです。あなたたちが買うなら諦めますけど」
「あ!?読み終わるまで待てっつってんだろーが!!」
 自分を理子と言った女性が怒鳴った。
「た、立ち読みするってことは買わないんですか?」
「るせえな、気持ち悪い顔して話しかけんじゃねーよ!!」
 リリィは自分の顔を気持ち悪い顔と言われてショックを受けた。
「どうしてそんな酷い事言うんですか!リリィさんはお父さんがイギリス人で外国人っぽい顔しているだけです!」
 笹山が傷ついたリリィを庇って抗言した。
「あ、なら日本語読めんのか!?イギリス人なら英語の本読んでろ!」
 その時、口論でうるさく思ったのか、書店の店主が現れた。
「いったいどうしたんだい?」
 笹山が慌てて答える。
「わ、私の友達が買いたい本をこの人たちが読んでいて買うのか聞いても答えてくれなくて・・・」
「あ?!被害者面しやがって!!」
「で、君たちはその本を買うのかい?」
「い、
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