暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
西風の兄妹と太陽と闇の姉弟
第24話 成長した姿
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い容姿の少女も戦場では何人も殺してきた生粋の猟兵だ。特に最近は自分たちが敵対する最大勢力に所属する猟兵の一人にお熱のようだ。
 まあお嬢と殺し合って既に二桁は軽く超えている辺りお嬢が気に入るのも無理はない。団長の息子であるランドルフの率いる部隊に所属しているザックスは敵意をむき出しにしているがガレスとしてはお嬢と互角に戦える有能な若造と思っている。


「お嬢、俺は『罠使い』の恐ろしさをよく知ってます。だからこそ言えますがこの罠は少しお粗末なものです」
「確かに直に見つけられるのなら罠の意味なんてないよね」


 仕掛けられた罠はガレスからすればお粗末なもので猟兵をやっている人間からすれば直に分かるほどらしい。もし西風の旅団が来ていれば『罠使い』本人、またはその教えを受けている団員がこんなミスをするとは思えない。


「む、上だ!!」


 ガレスが何かに気が付き上を向く、すると巨大な岩石が落ちてきた。


「地雷は足止めか!全員後方に回避!」
「「「了解!」」」


 ガレスの指示で他の猟兵たちが後方に逃げるがシャーリィはその場を動かない。


「お嬢、何をやっているんですか!早くこっちに退避を!」
「……やっぱりそうだよね、ふふっ、シャーリィの相手をしてくれるのは……」
「……お嬢?」


 ガレスはそう叫ぶがシャーリィは落ちてくる岩石をまるで恋人を見る目で見つめていた。ガレスはその表情に覚えがあった。お嬢が唯一認めた男を前にした時の顔だ。
 シャーリィは自らの武器であるテスタ・ロッサを構えて岩石目がけて跳躍してテスタ・ロッサを振るう。


「『デスパレード』!!」


 シャーリィの放った一撃は岩石を粉々に粉砕した。ガレスはシャーリィの非常識さを理解していたつもりだったがここまでとは思わなかった。


「す、すげえ……」
「流石シャーリィ隊長、とんでもないパワーだ」


 まだ新人の若い猟兵達はシャーリィのしたことに驚いていた。だがその中でガレスだけが気が付いた、砕けた岩石の隙間から紅い閃光がシャーリィに向かった事に。


「お嬢!!」


 ガレスが叫ぶがシャーリィは既にテスタ・ロッサを振るっていた。閃光とテスタ・ロッサがぶつかり激しい火花が飛び散る。

                                         
「あはは、やっぱり来ていたんだ。シャーリィには分かっていたよ?だってもう何回も『愛し合った』仲だもんね」
「『殺し合った』の間違いだろう?」


 シャーリィに攻撃を仕掛けたのは風切り鳥が刻まれた黒いジャケットを着た黒髪の少年だった。ガレスはその姿を見て叫んだ。


「『西風の絶剣』リィン・クラウゼル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ