暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第3話(改2)<青い髪の少女>
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
集に努めよ!」

(本来、友軍を偵察するとは気が引けるが、何か異質な気配を感じる。これは私の直感だ)
 そんな思いが()ぎった。

「……」
無言で敬礼をした寛代。私の意図は伝わったらしい。

 彼女の手を引いて再び外へと戻った私は五月雨に言った。
「申し訳ないが急病人がもう一名だ。救護を頼みたい」

私たちを見た五月雨は微笑んだ。
「はい、直ぐに手配します。病気の方は前の幌の下へどうぞ。提督は、その後ろの席へ。到着した機体は港湾内に係留いたしますので機長はこちらの指示に従って下さい」

 てきぱきと、しかし淡々と進む。とりあえず私の受けた指令書の件は伏せておこう。まずは相手の出方を見てからだ。

「ありがとう」
私は五月雨に軽く頭を下げて礼を言った。その言葉になぜか彼女は、ちょっと驚いた顔をしていた。

 一同は改めて荷物を抱えて内火艇へと移動する。
病人役の寛代と半病人の金剛、夕立の荷物は日向や比叡、赤城さんが運んでくれた

 その間も五月雨は自分の無線でブルネイの司令部と連絡を取っているらしい。しきりに頷いていた。

 その状況を見ながら私は改めてブルネイの艦娘たちを観察した。恐らく彼女たちも量産型だろう。あどけない表情だから駆逐艦か。

 やがて五月雨は、私たちの作業が終わったのを見て言った。
「では宜しいでしょうか? 船を出します」

「ああ」
全員を乗せた内火艇は発動機を響かせながら、ゆっくりと出発した。

 嵐に翻弄され、ようやく到着したブルネイ泊地。
だが、どことなく異質な印象が拭えない。美保の艦娘たちも同様で、どこと無くソワソワと周りを見回している。

 他の船に注意しながら徐々に速度を上げる内火艇。そよぐ風が心地良い。

 だがブルネイの妙な雰囲気は泊地の港湾内全体からも感じられる。

 青葉さんと夕張さんも盛んに指差しながら何か話している。彼女たちの会話が断片的に聞こえてきた。
「ここには軍の実験施設もあるみたいですね」
「そうね。量産型の艦娘も実用化されているみたいだし……でも、それにしちゃ、あまり見ない機種が多いわね」

二人は改めてキョロキョロしている。
「やっぱり……ですよね?」
「でしょ?」

私は隣に座っている秘書艦に聞いた。
「君は、ここの第一印象を、どう思った?」

 彼女は、いつもの澄まし顔ではなく困惑したように応えた。
「はい。ここは本当に帝国海軍なのでしょうか……? という印象です」

「だよな」
そもそも、この内火艇からして変な雰囲気だ。

 今度は龍田さんと赤城さんの会話が聞こえる。
「船内の文字表示は日本語よ。外国製じゃないわね」
「でも……どこのメーカーかしら?」
「そうねえ。知ってる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ