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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語
003話『ヴィヴィオの思い』
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ると思うから話に付き合えるんだよね。
でもその場合大体は暗い話にもなっちゃうんだけどね……。

「わたしね……あのスカリエッティと面会した事があるんだ」
「スカリエッティと……」

それで僕は少し拳を握る。
四年前のあの事件を想起させて僕も当時悔しい思いをしたからね。

「スカリエッティは言ったんだ。本当はあの時、わたしを誘拐するつもりだったって……聖王オリヴィエのクローンとしてゆりかごを動かす装置に組み込む予定だったとも」
「そうなんだ……」
「でも、結局わたしは誘拐されずに代わりにママたちがその役目を押し付けられちゃった。それでママも苦しい思いをしていたのを知っているの……。
思い出すんだ……なのはママとシホさんが戦っている光景を……。とても胸が苦しかったのを覚えている」
「…………」

僕はただヴィヴィオちゃんの胸のうちを吐き出してくれるまでじっと黙って聞いてあげていた。
ヴィヴィオちゃんはこうして話す相手がいなかったらずっと溜め込んじゃうと思うから。

「だから思ったんだ。わたしが誘拐されていればって……」
「ヴィヴィオちゃん、その考えだけはいけない……そしたらきっとなのはさん達は余計に悲しんだと思う」
「うん……だからこの話はママ達には言っていないんだ。ツルギ君だから話せるんだよ?」
「うん……」

ヴィヴィオちゃんはなのはさん達にも相談できずに僕だけに話してくれる。
それだけ信用されているという気持ちにもなるけど、それだけまだなのはさん達とは少しだけ壁があるんだなとも思う。

「四年前の事件から結局わたしはなのはママたちの所に引き取られて、今は幸せな暮らしをおくれている。だけどまたふとした事でなのはママに危険な事が起きるとも限らない……優君っていう弟も生まれてより一層そう思うようになったんだ」
「そっか……」
「だからね。わたしは強くならないといけないんだ……!」

そう言ってヴィヴィオちゃんは拳を強く握る。

「もうなのはママの足かせになりたくない……ママ達にも危険な目に合ってほしくない。子供のわがままだって言われようとその考えだけはわたしの思いなんだ。
だから強くなりたいって心から思っているんだ」
「だからなんだね……士郎パパによく特訓を受けているのは」
「うん。士郎さんにもなのはママ達には内緒って事で通しているんだ。魔法に関してもアインスさんに教わっているし」

そう、ヴィヴィオちゃんはよくうちで士郎パパとアインスママに特訓を受けている。
最近では体術をよく学んでいて、少し力が弱いヴィヴィオちゃんは縮地法とか浸透剄をマスターしている。
特訓中のヴィヴィオちゃんはそれはそれは鬼気迫る感じでやっている。
きっと焦っているんだなぁ……。
追いつけない高みになのはさん
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