36 拒絶
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んな女の子と軽く遊ぶ最低な男だと思うに違いない・・・。どうすればいいんだろう・・・)
藤木は思い悩んだ。
理科の授業で理科室へ移動する途中、藤木はリリィに声をかけられた。
「藤木君」
「あ、リリィ」
「今日私の家に行かない?ママがお気に入りの製造者の新作のケーキを買うって言ってたから藤木君にもご馳走するわ」
「え、僕でいいのかい?」
「ええ、もちろん!」
「あ、ありがとう、是非行かせてもらうよ!」
(よし!別の予定ができたぞ!これでみどりちゃんに会わなくて済むぞ!へへへ・・・)
藤木はみどりを避ける理由ができて喜んだ。
(藤木君、喜んでる・・・。嬉しい・・・)
リリィは藤木の喜ぶ顔を見て嬉しがった。実は彼女は既に花輪も誘っていたのだが・・・。リリィは花輪のような爽やかな男子に惹かれているのは事実だった。しかし、藤木に好意を寄せられていることを知っていて、彼の想いを断る気もなかった。リリィは藤木が自分にも優しくしてくれるいい人だと思い、卑怯には見えないのだ。そんな藤木にもリリィは自分の別荘に彼を誘うなどのアプローチをかけていた。以前、城ヶ崎や永沢と散歩に行った時、帰りにまる子から藤木に優しくしてやるように言われたことがある。以前から好意的に接しているつもりではあるが。
「待ってるわね!」
「うん!」
二人は理科室へ向かった。
それから暫くして昼休みとなり、藤木はたまえと話しているまる子に話しかけた。
「あの、さくら」
「あれ、藤木、何?」
「ごめん、やっぱり僕行けなくなったよ」
「はあ、何で?!」
「リリィに誘われて、リリィの家に行く用が出来ちゃったんだ。みどりちゃんにはごめんって伝えといてくれよ!それじゃあ!」
「あ、ちょっと、藤木!」
まる子は止めようとするも、藤木は慌てて教室を出ていった。
「あの卑怯者!!」
「まるちゃん、どうしたの?」
たまえが聞いた。
「みどりちゃんが今日遊びに来るんだよ。それでみどりちゃん、藤木も誘ってくれってアタシに頼んでさあ、でもアイツ、後からリリィと遊ぶ約束作って断ったんだ!」
「うーん、それはちょっと卑怯だよね」
「ちょっとどころかすごい卑怯だよ!!」
まる子は激怒していた。
藤木はまる子に追われまいと校庭に避難していた。そして遠くでリリィが笹山や城ヶ崎達と縄跳びして遊んでいるのが見えた。
(僕が好きなのは、笹山さんとリリィなんだ・・・。好きでもない女子と一緒に遊ぶなんて、御免だからね・・・)
その時、どこからか永沢が現れた。
「藤木君・・・」
「な、永沢君!?」
「一体どうしたんだい?そんなところでボーっとして」
「何でもないさ!」
「君、もしかしてリリィ達と遊びたいんじゃないのかい?
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