35 散歩
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の」
城ヶ崎が答える。
「へえ、花輪クンみたいに何か爽やかね」
リリィが鹿沼という男子に見惚れていた。
「君は確か4組のハーフの人だったね」
「ええ、リリィ・莉恵子・ミルウッドよ」
「君も綺麗だね」
「ありがとう」
リリィは鹿沼に照れた。
「ホント鹿沼君ったら誰かさんとは違って嫌なとこないんだから・・・」
城ヶ崎の言葉に永沢が頭に来た。
「何だって!?」
「別に誰とは言ってないじゃないっ!」
「もう君たちはどうしてすぐ喧嘩するんだい?2年の時も君たちの喧嘩止めるのに苦労したもんだよ」
鹿沼はそう言って溜め息をついた。
「う・・・、そうだったわね。そういえばアンタはあの頃もよく喧嘩を止めようとしてたわよね」
「うん、僕は喧嘩を見るのはあまり好きじゃないからね」
「まあ、君はその優しさで学級委員になったからね」
永沢が言った。
「うん、今年も学級委員をやっているんだ」
「うわあ、いい人だねえ。私も鹿沼君と一緒のクラスになりたいよ〜。ウチの丸尾君より頼りになりそう!」
まる子が感心した。
「あは、そうかな・・・」
鹿沼は少し照れた。そして永沢の弟を見た。
「その赤ちゃんは確か永沢君の・・・」
「ああ、弟の太郎さ」
永沢が答えた。
「へえ、ちょっと遊んでもいいかい?」
「え?別にいいけど、変なことするなよ」
永沢が不安そうに言った。
「大丈夫だよ。僕も赤ちゃんの妹がいるからね。どう扱うかはわかっているよ」
鹿沼は太郎を抱いて高い高いをした。そしてゆりかごごっこなどをした。太郎は鹿沼に一切の拒否反応をせず、むしろ喜んでいた。こうして鹿沼は太郎を永沢に返す。
「ありがとう、永沢君。それじゃあ、僕は母さんのお使いがあるんでこれで失礼するよ。それから二人とも喧嘩は程々にね」
鹿沼はそう言って去った。
「鹿沼君も遊んでくれたから、太郎君のために遊ぼうよ」
リリィは城ヶ崎と永沢に喧嘩をしないように懇願した。
「分かったよ・・・」
「そうね、太郎君、ごめんね」
城ヶ崎は太郎に謝った。皆で太郎を公園の滑り台で遊ばせだり、その後公園を出て駄菓子屋で一休みしたり(太郎は永沢からミルクを貰って飲んでいた)、して楽しく過ごした。
こうして日が西に傾いた。
「それじゃあ、太郎も遊んで疲れて寝たし、僕はこれで失礼するよ」
永沢はそう言って帰ろうとした。
「さようなら!」
リリィは永沢と太郎に挨拶をした。
「太郎君、また遊びに来てね」
城ヶ崎は太郎にのみ挨拶をした。永沢は自分は無視されたことにややイラついた。
(太郎に挨拶して、僕は無視か・・・。なんて憎らしい女だ・・・)
こうして皆も帰ることになった。
「皆ごめんね、せっかく遊びに来てもらったのに外に出るこ
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