35 散歩
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
一同は城ヶ崎を出て散歩しに行った。その時、城ヶ崎は飼い犬を連れた。
「ワン、ワン、ワン!!」
城ヶ崎の犬が永沢に向かって吠えた。
「ひい〜。そんな犬連れてくんなよ!」
永沢は太郎を乗せたベビーカーを犬から離していった。
「べス、だめよ!やめなさい!」
べスという名の犬は城ヶ崎の命令を聞き、おとなしくなった。
「へえ、べスっていうのね」
リリィが興味深々にいった。
「ええ、散歩するなら一緒にどうかなと思って」
「いいわね、楽しそう」
こうして一行は出発した。そして歩きながら談笑する。
「そういえば、城ヶ崎さんもリリィも髪を縦に巻いてるよね。セットも大変だよね」
たまえが言った。
「そうね、時間かかるわね。そのほうが可愛く見えるから」
城ヶ崎が答えた。
「私も時間かかるけど、元から巻き毛だからね、この髪型にすると可愛く見えて気に入っているの」
リリィが話した。
「へえ、イギリスの人って巻き毛が多いの?」
まる子が驚いて聞いた。
「真っ直ぐの人もいるけど、そうね、日本人よりは多いかな」
「へえ、髪型でおしゃれなんて羨ましいねえ」
「でもまる子さんのおかっぱも可愛く見えるわ」
「ええ!?いやあ・・・」
リリィに褒められてまる子は照れた。
一行は街を歩いていると、街路樹の世話をしている人に会った。
「あ、佐々木のじいさん、こんにちは!」
まる子が声をかけるとともに、皆も一斉に挨拶した。
「おや、こんにちは」
佐々木のじいさんと呼ばれた人は優しく挨拶を返した。
「今日も木は元気そうだね」
「ええ、今年の夏は台風もありましたが、それでも元気に耐えてくれて嬉しいですね」
佐々木は気を見て嬉しそうに言った。
「ここの街路樹皆世話をしているんですか?」
リリィが聞いた。
「ええ、そうですよ。この木々たちが無くなってしまってはこの路が寂しくなってしまいますからね、いつでも世話をしているのですよ」
「すばらしい仕事ですね!」
リリィが感心した。
「リリィ、佐々木のじいさんの木の世話は好きなことで、本当は呉服屋さんなんだよ」
たまえが冷静にツッコミを入れた。リリィが慌てて謝罪する。
「え・・・?ご、ごめんなさい。勘違いしちゃって・・・」
「いえいえ、いいんですよ。もう店の経営は息子夫婦に任せている状態ですからね。間違われてもおかしくありません。ははははは・・・」
佐々木は気にもしていなかった。
「は、ところでゴフクってなんですか?」
リリィが聞いた。皆はリリィが呉服という意味を知らないことに驚いた。しかし、それでも佐々木は寛容に答える。
「ははは、いい質問ですね。呉服とはすなわち和服です」
「和服ですか、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ