主将の責任
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ったら、内外野全員を呼び寄せ何やら伝えると、困惑の表情を浮かべるナインを尻目に審判に何かを伝えるために輪から外れる。
「えぇ!?大丈夫なの!?これ!?」
「でも剛さんらしいけど・・・突発的すぎよね・・・」
「ですが、剛さんはそれをやってきたわけですし・・・」
守備に大きな変更があるのか審判がフミコから何度も交代するポジションを確認している最中も全員が困惑の表情を見せている。しかし、それににこが一喝する。
「何言ってるのよ!!やるしかないでしょ!?剛さんが言うんだから、にこは信じるわ!!」
「私も・・・いつかはあるかと思ってたから、やるしかないかなと思います」
野球通のにこと花陽にそう言われ渋々ではあるが納得する穂乃果たち。すると、キャッチャー防具を付けていた穂乃果が、それを外し始める。
「ん?なんだ?」
「高坂さんが防具を外して・・・」
タイムがかかったことでネクストバッターズサークルまで戻ってきている英玲奈と次打者のツバサも困惑の表情。すると、驚くようなアナウンスが会場に響く。
『音ノ木坂学院、シートの変更をお知らせ致します。ピッチャーの絢瀬さんがショート、ショートの矢澤さんがサード、サードの園田さんがキャッチャー、キャッチャーの高坂さんがピッチャー――――』
穂乃果が外した防具を付け始める海未。この起用法に見覚えのある西村は英玲奈とツバサを呼び寄せる。
「あれは東日本学園がたまに行う方法だ。投手が尽きた場合、キャプテンがその責任を持ってマウンドに上がる。チームを率いる人間をグラウンドの一番高いところに持ってくるんだ」
穂乃果たちは以前剛の野球をしている姿をビデオで見ていた際、彼が甲子園のマウンドに上がったことを一応知っていた。しかし、まさか自分たちにも同様の事態が起こるとは夢にも思ってなかったため、驚きを隠せなかったのだ。
「ただ、ここまで高坂は投げていないし、ましてや園田がピッチャーの他にキャッチャーを練習してたとは思えない。間違いなくあれは急造バッテリーだ。つまり・・・わかるな?」
コクッとうなずく2人。二塁ランナーのあんじゅも頻りに体を動かしており、何をやるのかは想像に難くない。
「急造投手なら必ず甘いボールが来る。向こうがエースを投げさせる気がないなら、この回で試合を決めてきてやれ」
「「はい!!」」
投球練習が終え、ホームの後ろから声かけを行いしゃがむ海未。英玲奈は穂乃果を見た後、チラッと海未に視線を落とす。
(ベンチからサインが出ているのか。といっても、球種はないだろうしコントロールも厳しいところを突くことはできないはず・・・甘いボールが来たら確実に打つ!!)
セットポジションからランナーを見た後英玲奈に対峙する。穂乃果はできるだけ動きが
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