第二章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
は常に恐ろしい毒を出している。
そのケルベロスの毒だとだ。カストルは苦悶の顔で言う。
「これはね」
「馬鹿な、何故山賊があの犬の毒を」
「理由はわからない。けれど」
「その毒で」
「僕は助からない」
もう絶対にだというのだ。
「死ぬ。どうしようもないよ」
「そんなことは許さないぞ」
必死の顔になってだ。ポルックスはカストルに言った。
「ずっと一緒だと違った筈だ。二人で」
「わかってるさ。けれど」
「それでもだというのか」
「僕は助からない」
ケルベロスの毒のあまりもの強さの故に。
「後は。少しでも」
「苦しみたくないのか」
「今も。恐ろしい苦しみが僕を襲っているんだ」
カストルはまだ生きている。だが、だった。
その全身は紫、無気味な紫色に染まっている。毒が全身に回っているのは明らかだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ