第百二十二話 フレイヤ大返し
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を、敢えてエッシェンバッハ元帥は伝える事で、全員の心を一つに纏めようと考えたのである、陛下の軍政改革により、帝国軍に巣くう宿痾が取り除かれ、一般兵に至るまで精強になりつつある帝国軍である。陛下に対する情愛の念は計り知れないものが有る、それを信じて話したのである。
多くの将官が、固唾を呑んでエッシェンバッハ元帥の次の言葉を待っている。
「同時に皇女殿下も襲われた」
その言葉に、若手の将官が目を見開いて殿下はご無事かと訴えてくる。
「安心せよ、皇女殿下は無事だ。現在皇女殿下が皇帝陛下に代わり指示を行っているそうだ」
その言葉に不安半分期待半分という感じで将官達が頷いている。
「で、犯人はわかったのですか?」
エッシェンバッハ元帥は、言わねばならない事だが、言い辛い事だと思いつつも話す。
「ノイエ・サンスーシについては、不明だが、皇女殿下を襲った輩は、ヘルクスハイマー伯の手の者だ」
その言葉に、多くの将官がざわめく。
「そうなると、艦隊の内幾らかは、ヘルクスハイマー伯爵領へ侵攻せねば成りませんな」
ケルトリング中将が訴えた。
「いや、ヘルクスハイマーとその後ろ盾のリッテンハイム侯は皇女殿下の御機転で収監されている」
「そうなりますと、直ぐさまオーディンへ戻らねばなりません」
祖父と同じ少壮の戦術家である、シュタイエルマルク中将が直ぐさま答えをはじき出した。その言葉に殆どの将官が頷いた。エッシェンバッハ元帥はこの事を待っていたのである。
「皇帝陛下の御為に各艦隊準備でき次第発進せよ」
「「「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」」
将官達が立ち去っり、次々と旗艦へと帰って行く。旗下旗艦へ帰ってきた司令官からの話に、多くの参謀がそれぞれの持ち場に着いていった。帝国軍宇宙艦隊が全力を持ってオーディンへと向かうために全員が自分の持てる限りの力を発揮していく。
帝国暦483年8月5日 午前11時、フレイヤ星系に集結していた宇宙艦隊主力10個艦隊総数15万隻が驚くべき速度で準備を終了し、緊急帰還を開始したのである。練度は未だ未だ低いが帝国の未来を考える猛者達に育とうとする雛たちの第一歩になったのである。
帝国暦483年8月5日 午前12時
■レンテンベルク要塞
レンテンベルク要塞に、先着していた宇宙艦隊先遣隊に、宇宙艦隊本隊が急遽オーディンへ帰還するとの連絡と先遣隊も帰還せよとの指令を受け、大慌てで参謀達が仕事に走っていたが、参謀の1人である長身で若白髪のある黒髪で薄く引き締まった唇を持つ表情に愛嬌がない中佐が司令官に近づいてきた。
「司令官閣下」
「卿は?」
「はっ、作戦参謀パウル・フォン・オーベルシュタイン中佐です」
その中佐は最近の人事異動で来たばかりだったため、司令官
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ