暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
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ものシュウとは違う優しい言葉がリーファの心に染み込んで行く。

「シュウ君…………」

呟くと、リーファは隣に座る少年の胸にそっと頭を預けていた。密やかに溢れる粒が落ちるたびに、淡い光を放って消えていく。
シュウの体は一瞬ビッく、としたがすぐに優しくリーファの体を抱きしめてくれた。
するとリーファの隣に新たに人影が現れた。
それにドッキとして慌てて、リーファはシュウを突き飛ばすようにして離れる。

「こんにちわ……リーファ……とシュウはなんで倒れてるんだ?」

「い、いや……なんでもないよね、シュウ君!」

「なんでもないことはねぇだろ、リーファ」

シュウは頭に手をあてながらこちらを睨みつけている。

「ご、ごめんね」

倒れるシュウの手を掴んで立ち上がらせる。
不思議と先ほどまでの感情は消えていた。
キリトは疑問符を浮かべるてるような表情をしている。

「───さ、行こ!」

リーファはシュウの手を握ったまま宿屋を出る。キリトも追ってくる。
昨日は寝ぼけ眼だったが改めてみると凄まじいスケールだった。様々な種族が街を歩いており、店屋などもリーファが見たことのないくらいの多さだった。
アルヴヘイムの央都アルンは、円錐型に盛り上がった超巨大積層構造をなしている。今リーファが立っているのは、中心からはまだ相当離れている。
アルン中央市街を包み込むように這い回るそれらは全てを木の根。
さらにその視界を上に向ければそれらを束ねる巨大な幹がまっすぐ上空へと伸び上がっていた。上に行けば行くほど幹の周囲には白いもやが取り囲む。あれは雲だ。飛行制限エリアを示す雲を遥か上空まで突き抜けている。

「あれが……世界樹……」

キリトが囁いた。

「うん……。すごいね……」

大通りを三人は世界樹の根元まで歩き始める。
行き交う混成パーティーの間を縫うように進むこと数分。前方に大きな石段とその上に口を開けるゲート。あれをくぐれば、世界の中心、アルン中央市街地だ。まじかにまで迫りつつある世界樹はもはや壁だ。
階段を登り、門を潜ろうとした───その時だった。
突然、キリトの胸ポケットからユイが顔を突き出した。いつになく真剣な顔で、食ういるように嬢空を見上げている。

「お、おい……どうしたんだ?」

ユイは無言のまま見開いた瞳を世界樹の上へと向け続けた。数秒間の沈黙の後に小さな唇からかすれた声が漏れた。

「ママ……ママがいます」

「な…………」

キリトが顔を強張らせた。

「本当か!?」

「間違いありません! このプレイヤーIDは、ママのものです…。座標はまっすぐこの上空です!」

それを聞いたキリトは、いきなり背の翅を大きく広げた。クリアグレーの翅が、バン!!、と
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