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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
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こしてやろうと思ったんだけどあんたのことだから何かあるんでしょ?」
全てを見透かされているようだ。
「だからさ……全部終わったら色々追求することにしたの。まぁ、もしかしたらあんたのことだからあんな思いをしたのにただやってるだけかもしれないけどね」
───ああ、この人には勝てないな
集也は軽く笑みを浮かべた。
そして小さな声で呟いた。
「……ありがとう、母さん」
「それじゃあ、私はもう戻りから戸締りとかよろしくね」
玄関で靴へと履き替え、こちらに軽く手を手を振ってから扉を開ける。
「わかってるよ。そっちも気をつけてな」
集也も軽く手を振って、皐月が玄関から出て行くのを見届けた。
多分、こうして集也が再び仮想世界へと、シュウと向き合えているのは、色々な人が支えてくれているからだと改めて実感する。
リビングへと入り、棚の中からカップ麺を引きづり出した。昼食を済ませてから運動でかいた汗を軽くシャワーを浴びて流し、自室へと向かった。
そのまま一直線にベットへと倒れこむ。そして頭の上のあたりにあったヘルメット状の機械を持ち上げる。
ヘッドボードの上に置かれている時計は、二時半近くを指し示す。午後三時になれば、メンテナンスは終了し、あちらの世界へと繋ぐ道が開かれる。
そうすれば再び、アスナを救うために集也はシュウへと変わる。今だ全ての恐怖が消えたというわけではない。時より思い出して心が握りつぶされそうになる。
現に昨日もウンディーネたちとの戦いの時、シュウはほとんど我を忘れかけていた。普通ならあんな行為マナー違反だし、逆の立場なら呆れているところだ。トンキーが仲間だとしてもいつものシュウなら悔しい気持ちはあっても引き下がっていたに違いない。だが、あの時は違った。隣で同じように悔しがっていた少女の目には、微かに涙が見えた。
その瞬間、シュウの中の何かが動き出していた。リーファを泣かせたやつを許すわけにはいかないと、そいつは囁きかけた。
そこから先のことは、はっきりと覚えているわけではない。気づけばシュウの剣は青い妖精を切り裂いていた。そこから意識がしっかりしたのは、トンキーの上だった。
かつて《死神》とまで呼ばれたあの頃の記憶が蘇ってきた。そんな壊れそうなシュウを救ったのはリーファだった。彼女に抱きしめられた途端、体の力がスッと抜けていった。
とても心地よく、安心できた。
思い出すと顔が熱くなってくる。
彼女もまた、集也を支えてくれている人の一人なのかもしれない。
「……お、時間だな」
時計は三時ちょうどを指したところだった。
集也は一度息を整えてからナーヴギアを被り、現実世界から離れるための言葉を呟いた。
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