暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
[6/11]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
ない。
互いに開始線の位置で一礼をして集也の敗北で試合は終わった。
「やっぱりシュウ君は強いね。あれがソードスキルなんだろ」
水分補給をしていた集也の横に立ち、シンさんはまるで新しいものを見て目を輝かせている子供のような視線を向けてくる。
「そうですけど……やっぱり
SAO
(
あっち
)
でやるようには行かないですね」
立てかけられていたゴムチューブの長剣をちらりと見る。仮想世界で持っていたシュウの愛用の剣に比べればリーチも短く重さも軽い。しかし多少の違いはあろうともソードスキルの発動するのには関係ない。二年もの間使っていたソードスキルの動きは体に染み付いており、システムアシストによる動きや剣の速度などを抜けば、九十九パーセントの再現はできる。
だが、現実と仮想で体を動かすのでは多少のズレがあるように感じる。それはALOに再びダイブした時に改めて実感した。やはり
仮想
(
あっち
)
の方が動きがスムーズに行える。
それにALOにはソードスキルなどという概念は存在しないため、現実よりは動きやすいだけで完全再現とまではいけない。───はずだった。
集也は昨日のことを思い出す。アルヴヘイムの地下深くに存在する高難易度ダンジョン《ヨツンヘイム》───昨日のシュウたちはそこへ立ち入り、巨人や超ベテランプレイヤーたちと戦闘した。普通ならば何も抵抗できずに負けているはずだった。だが、あの時、無我夢中で剣を振るったシュウの体にわずかに違和感があった。初めの違和感は、空中で槍投撃技《レイヴァテイン》を放った時だった。いつものようにモーションに入り、タイミングを合わせて投げる。その瞬間、体を不可視の力が押した感覚があった。放たれた槍は、まるでレールでも引かれているように一直線に三面巨人の眉間に吸い込まれるように直撃した。
そしてバカでかい鉄剣を握った時もだった。一か八かで突進したその瞬間だった。まるで武器の重さが不意に無くなったような感覚をシュウは感じた。突進からの斬り下ろし、あの技は間違いなく両手剣重突進技《アバラッシュ》だ。
他にもウンディーネたちとの戦いでも、なんども体が軽くなる感覚を覚えた。
その感覚をシュウは知っていた。モーションに入ったと同時にシステムが体を押すように軽くなる。
───《ソードスキル》
もちろん、ALOにそんな概念が存在するわけもない。だが、あのシュウが感覚を間違えるわけがない。
そしてもう一つの違和感。ソードスキルと思わしく力を発動する瞬間に聞こえたノイズ。一瞬の出来事だったので、もしかしたら勘違いなのかもしれない。だが、シュウにはわずかなノイズの中に誰かの声が混じっていた気がした。
───あれは一体なんだったんだろう。
「ん? ボーッとしてどうしたんだい?」
「いえ、なんでもないですよ」
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ