暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
館内に鳴り響いた。

「……お、完全に入ったな」

隣でシンさんが少し嬉しそうな笑みを浮かべている。
周りを取り囲んでいた三名の男女が一斉に赤色の旗をあげる。
これが集也がここに呼ばれた理由だった。
《スポーツチャンバラ》という競技。日本の遊戯として昔からあったチャンバラをスポーツとしてルールと安全性を確定したスポーツ。剣道にルールとしては似てはいるスポーツではあるが明確な違いが二つほどある。まず、剣道のように有効打突と呼ばれるものは存在せず、基本的に体のどこかに十分な威力で当てれば有効打となる。もう一つは使える得物(武器)の種類だ。剣道ではもちろん竹刀だが、スポーツチャンバラにおいては、槍・棒・杖・長剣・小太刀・短刀・盾などまるでRPGの武器のように豊富にある。その刀身は空気で膨らませたゴムチューブが使用されているため、当たってもそれほど痛くはない。
獲物の種類によって競技が分かれており、戦い方も獲物ごとに様々なので意外と奥が深く面白い。

「折角、遠くから来てもらったのにぼっとしてるというのも暇だろう。早速、僕と手合わせしてもらえないかな」

「もちろんそのつもりで来たんですから」

体育館の壁際にジャンバーを脱ぎ、持ってきたジャージに着替え、先ほどまで試合をやっていた男性から長剣を受け取るとコートの外で軽く準備運動をする。大体二十キロ近くの距離を走っていたので体自体はすでに温まっているため、すぐに準備に着く。
向かいに黒のジャージに身を包んだ青年が笑顔をこちらに向けている。その手には集也同様に長剣が握られている。
互いに礼をしてからコート内へと入り、中央に引かれた開始線の位置で止まる。

「一本勝負を始めます。構え!」

審判の一人の声に互いの武器を中段で構えて静止し、視線を交わす。今から戦おうとしているとは思えないほどに飄々とした雰囲気が抜けないシンさん。だが、それがこの人の怖いところだ。
一瞬の静寂ののちに審判の威勢のいい「始め!」という声と同時に集也は飛び退くように後退。すると凄まじい勢いで目の前を黒い塊が横切った。シンさんが薙いだ長剣だ。
それを寸前のところで避ける。

「おっ……今日はちゃんと避けたね」

満足げな顔を浮かべるジャージの剣士。

「そう何回も受けないっすよ」

これがこの人の怖いところ。全くこちらに攻撃してくるような姿勢を見せることなく、予備動作もなく一瞬で剣を振ることができる。初見では回避はほぼ不可能。わかっていたとしても避けきれるかどうかわからない。他の人に聞いてみてもほとんどが同じ感想を持っていた。
あれは見えない、動きが読めない、いつの間に近づいてきた、などといったまるでさながら忍者のような動き。

「やっぱりシュウ君は呑み込みが早いね」

すると今
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ