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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
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情はあの絶望を瞳に宿した少年だった。
あれを思い出すと心が締め付けられるように痛い。俯きかけたリーファは、視界の端でいまも地面の上でうずくまる少年を捉えた。
すると締め付けられるような痛みがスッとなくなっていく。
「さ、こいつはほっといて宿屋探そうぜ。俺もう素寒貧だから、あんま豪華じゃないところがいいな」
キリトが軽くリーファの背中を叩いて言った。
「……いいカッコして、サクヤたちに全財産渡したりするからよ。宿代くらいとっときなさいよね!」
リーファはキリトの胸ポケットにいる妖精に訪ねた。
「パパはああ言ってるけど、近くに安い宿屋ってある?」
ユイも眉を寄せて世界樹を凝視していたようだが、すぐに笑顔を浮かべて答えた。
「ええ、あっちの降りたところに激安のがあるみたいです!」
「げ、激安かぁ……」
ひきつるリーファをおかまいなしに、キリトがすたすたと歩いていく。
「ほら、シュウ君も行くよ」
ようやく立ち上がりかけていたシュウの手を掴み強引に立ち上がらせるとキリトの後を追って行く。
夜更かしのし過ぎで強烈な眠気に襲われているはずなのに、小さな胸騒ぎを感じてリーファは世界樹をもう一度見上げたのだった。
────────────────────
朝の霜がまだわずかに残っているアスファルトの上をロードバイクを走らせる。朝方に比べれば寒さはそれほどでもないがやはり寒いということには変わりはなかった。
それに加えて強烈なまでの眠気が集也を襲いロードバイクの走行中であってもあくびは止まらず何度かスピードを落として眠気眼を擦る。
そもそも昨日、正確に言えば今日の午前四時までゲームをやっていたにも関わらず、現在は九時を少し回ったところだった。
ALOをログアウトしてすぐに疲労で眠りには着いたが、八時半頃にスマートフォンがけたたましい音を立てて鳴り響き、強制的に叩き起こされた。
───電話だった。
朝早くから誰だよ、と不機嫌になりながらも出て早口で言われた内容を寝ぼけた頭で精一杯処理した結果が、「十時過ぎにいつもの場所に来てくれないか」ということだった。もっと何か色々と言っていた気がしたが、ほとんどを聞き流していたか、電話中に寝ていたためあまり覚えていない。
めんどくさいと思いながらも電話の相手が相手だったため、集也は嫌々ではあったがすぐに準備してロードバイクを走らせたというのが現状況に至るまでの流れであった。
必死こいてペダルを回し続けてようやく目的地に到達した。所沢市の体育館。メインアリーナとサブアリーナの二つに別れており、さらにはトレーニング施設や会議室まである体育館という規模にしてはかなりの大きさだ。
駐輪場にロードバイクを止めると一度、スマートフォンを確認する。集
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