アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
ドキドキ!?温泉パニック!!B
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《シシムガルで爆破テロ!アージェント復権派による犯行か?》
『本日午後6時頃、シシムガルのショッピングモールで、魔力自動車が店内に突っ込み、爆発する事件がありました。時を挟まずしてアージェント復権派の武装組織が犯行声明を発表、管理局もその前提で捜査を進めています。この事件での死者は……』
「………アージェント復権派、か。」
夜10時、明かりの落とされた松風亭の一室で、暁人は音を絞ったニュース番組を見ている。既に氷雪は夢の中であり、色々とあって疲れたらしいミミも、スースー寝息を立てている。起きているのは暁人とミハイルだけだ。
「全く、昔がどうだったかは知らないけど、現代でもそうある必要は無いのにね。」
「同感だな。……融けない氷は無いのと一緒だ。滅ばない国なんて存在しない。」
アージェント復権派というのは、かつて白皇の時代、アージェントはこの世界を統一した後、ミッドチルダを併合し、ベルカの一部を占領していた。その時代の栄光を取り戻そうという集団だ。
管理局からの脱却、ミッドチルダへの侵攻など、その主張は時代錯誤も甚だしく、真面目に相手にするのは一部の血気盛んな若年層のみだ。が、その一派、俗に過激派と呼ばれる連中は、このニュースの様にテロを起こす事もあり、管理局も厳重に取り締まっている。
『………また、最近発生している連続ロストロギア強奪事件との関連も噂されており、警戒が続いています。』
「噂ってのは変に伝わるものなんだね。暁人と連中に関連なんてある筈無いのに。」
「………妙だな。」
根も葉も無い噂がニュースで流れた事に、ミハイルは馬鹿馬鹿しいと一蹴するが、一方の当事者である暁人はそこに違和感を覚えた。
「復権派はテロの後に必ず犯行声明を出してる。連中にとってテロは宣伝であって目的じゃ無いからな。それくらい管理局も分かってる筈だが……」
「……考え過ぎじゃないかい?暁人のやってる事も端から見ればテロだからね。そういう共通項で括っただけかもしれない。」
「……だと、いいけどな。或いは……」
そこまで言って口を閉ざす。考え付いたはいいが、あまりにも荒唐無稽だった為だ。
「……いや、そうだな。所詮噂程度だろうし、仮に向こうがそう思っててもこっちの不利にはならないか。」
管理局とは既に明確に敵対している以上、こちらへの悪感情の増加は大して気にならない。むしろ心配なのは、噂を鵜呑みにした復権派の連中に目をつけられる事だ。
「その辺は戻ったら一度エヴァに聞こう。作戦の打ち合わせもしなきゃならないしな。」
そう言いながらテレビを消し、暁人はゆっくりと立ち上がる。
「……どこに行くんだい?」
「ちょっとリハビリだ、無理はしないさ。」
ミハ
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