アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
ドキドキ!?温泉パニック!!B
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イルの問いに答えつつ、ハボクックを首に掛け、部屋を出ようとする暁人。その直前に立ち止まり、少し戻って氷雪の布団を覗き込む。
「……待ってろよ氷雪。もう少しだ、もう少しで助けてやるからな。」
そう言いつつ、顔に掛かった綺麗な銀髪を払う。それから、視線をミミに向けた。普段のピシッとした佇まいからは想像できないが、ミミは“あの事件”の後に契約した使い魔で、その時にさえまだ小兎だったのだ。実年齢5歳という数字は、彼女が使い魔である事を差し引いてもまだ、子供といっても差し支えない。
「悪いな……お前にはいつも負担ばかり掛ける。でも、あと少し……付き合ってくれ。」
そうして、今度こそ暁人は部屋を出るのであった。
「うーん………」
暗い部屋の中、なのはは一人体を起こす。両隣では親友二人がそれぞれに寝息を立てている。二人とも別段寝相が悪かったりする訳でも無い為、眠れない理由はそこでは無い。
なのはが眠れない理由、それは先程のニュースだ。テロ事件が起きた事もそうだが、そのテロ組織とロストロギア強奪犯である暁人が繋がっているという話が、彼女を混乱させていた。
「そんな話、会議でも出てなかったよね……。」
捜査の中核と言ってもいい彼女達三人が、想像すらしていなかった情報がニュースで流れる。こんな事があるのだろうか?
「フェイトちゃんもはやてちゃんもただの噂だって言ってたけど……やっぱり変だよね。」
或いは、テロ事件の現場で何か関係を示す物が見つかったのかも知れないが、それをなのはが知る術は無い。……そもそもそんな物は無いのだが。
「…あの人、そんな事はしそうに見えなかったけどな………。」
不思議な話ではあるが、なのはは犯罪者である暁人をある意味信用していた。暁人なら無関係の人々を巻き込む様なマネはしないだろうという信用だ。
そう思ったのも、やはりあの病院での一件だろう。暁人は妹の為とは言いつつも、あの時は間違い無く、周囲の被害を考えて行動していた。直前にフェイトとはやてに遭遇した時でさえ、市街地での戦闘は避けようとしたという。その暁人が、民間人を巻き込むテロをしているとは、なのはには到底思えなかったのである。
「うぅ〜〜……考える程分からないなぁ。」
こういう時、どうやって吹っ切れば一番すっきりするのか、なのはは経験的に知っていた。
「……うん、少し体を動かそう。」
決めたら後は速かった。両隣の二人を起こさない様に気を付けつつ布団を抜け出し、ある程度の身支度をすると、お馴染みの愛機を首から提げて外に出るのだった。
「ーーーーシッ!」
短い、しかし鋭く研ぎ澄まされた気合いと共に、氷の刃を生やし
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