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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第8話 改訂版(2018/11/07)
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《パオペエ》を作ってくれる様、朱菜に頼んでやる」
「やったッスー!!」


あれ?いつの間にか私がゴブタさんの魔導具か宝貝(パオペエ)を作ることになってます。そういえば、勝負が始まる前にリムル様がゴブタさんに耳打ちしていた様な……。

いや、別にゴブタさんの魔導具や宝貝(パオペエ)を作るのが嫌って訳ではないんですけどね。むしろ磁双刀弐型を作ってから改造魔導具や改造宝貝(パオペエ)を作りたい衝動に駆られてたりするんですが……。

私がそんなことを考えていると、リムル様は駄蜥蜴がやられたことに唖然としている蜥蜴人族(リザードマン)達に視線を向け、口を開きました。


「お前らもちゃんと見てたと思うが、勝負はウチのゴブタの圧勝だ。約束通り、そのガビルって奴を連れて帰ってくれ。あと、配下ではなく対等な立場の同盟を結ぶというなら豚頭族(オーク)の軍勢との戦いに協力する旨を伝えといてくれ」
「こ、これで終わりと思うでないぞ」
「い、いずれまた来るぜ」


蜥蜴人族(リザードマン)達は三下のチンピラみたい捨て台詞を吐くと、犬神家の駄蜥蜴を地面から引っこ抜き、去って行きました。


「………やっぱり尾獣化して蜥蜴人族(リザードマン)の住む湿地帯に尾獣玉を叩き込みましょう」
「だから、止めいっての!」


私が蜥蜴人族(リザードマン)殲滅を口にすると、リムル様が私の頭頂部にチョップを放ってきましたが、私を軽く諌める為のチョップなので痛くはありません。

……なんか、恋人同士がじゃれ合う遣り取りみたいでいいですね。リムル様とそういう遣り取りが出来たので蜥蜴人族(リザードマン)達のことは許して上げましょう。



【視点:リムル】



蜥蜴人族(リザードマン)達を追い帰して早数時間。豚頭族(オーク)の軍勢に関する情報収集をさせていた蒼月と蒼影が戻って来た為、幹部メンバーを宮殿に召集し、会議――というか軍議を行うことになった。

あっ!ちなみに朱菜の拘束は既に解いている。というか、俺がチョップしてから何故か機嫌が良くなったので、拘束しておく必要が無くなったんだ。

どうしてチョップで機嫌が良くなったんだ?紅麗と紅丸にそれとなく朱菜がそういった性癖なのか聞いてみたんだが、返って来た答えは―――


「私がそんなことをすれば、確実に昼虎を繰り出されます」
「俺がそんなことをしたら、裏蓮華でボコボコにされます」


というものだった。取り敢えず、朱菜がM気質でないことには安心したんだが、だとするとどうして機嫌が良くなったのかが謎だ。

…………まぁ、別に気にするべきことでもないか。そんなことより今は豚頭族(オーク)の軍勢のことだ。蒼月と蒼影の話によると、その総数は―――

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