第四章
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あそこに行くからな」
網元もそうすると彼に答える。
「わかったな。それじゃあな」
「覚悟は必要ですね」
「底の抜けた柄杓とバケツは忘れるな」
「ええ、絶対に」
「海はああしたのもいるんだ」
このこともだ。網元は彼に言ってきた。
「忘れられねえと思うが忘れるなよ」
「絶対にそうしますよ」
市川はまだ蒼白だった。それで海を見た。海は青く澄んでいた。彼の好きな海だ。だがそこにいるものはああしたものもいる。そのことをよく知り恐怖も知ったのだった。
底の抜けた柄杓 完
2012・5・31
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