暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーLARGE
第二話「変身ッ!」
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の? 心当たりとか?」
「えっとぉ……どこかで見たことがあるんです。その三文字、確か私の家の押し入れにあったと思うんですよ?」
「本当?」
「ええ……小さいころに見ただけだからあまり思い出せないのですが……」
ひょっとすると、相手は朱鳥の顔を覚えているんじゃないか? その人に関するものが彼女の家に保管されているというのなら……
「……で、どうする? やっぱり、怖いなら一緒に警察に行くか?」
すると、朱鳥は「うぅん……」と、唸ってから次にこういいだした。
「もし、よかったら探すのを手伝っていただけませんか? 結構大きな荷物があるので、それを持っていただけたら……」
そう言って、朱鳥は俺に協力を要請する。俺も、俺でよかったらと手伝うことにした。しかし、いったい彼女の家で保管されているその「物」とは何だろうか? アルファベットの頭文字で書かれている物といったら……絵か? だとしたら、相手は画家か何かを手掛けている人間だろうか?
俺は、彼女に連れられて外の物置小屋へと向かった。中には祭りや舞などに使う物が棚に整列されており、手に取るときは慎重にならなくてはいけないと思った。
「……その、俺が言うのもなんだけどさ?」
俺は、大きな段ボールを両手に抱えながら、後ろでえっちらと荷物を持つ朱鳥に訊ねた。
「なんですか?」
「勝手に入って大丈夫なの? いくら、家が神社って言っても両親の人か誰かに一言言った方が……」
「あ、ここには私しかいませんから大丈夫ですよ?」
「え? どういう……」
「……私、両親がいないんです。お母さんは病気で死んじゃって、お父さんは突然行方不明になったりして……」
「あ……ご、ごめん!」
まさか、彼女にそんな過去があったとは思わなかった。今まで、俺みたいにいじられるか空気にされるかの存在で、つねに教室の隅っこにいる、居るか否かの曖昧な存在と思っていたのに、そういった悲しい過去があったとは以外であった。下手すれば、俺よりもたくましいかもしれないな……
「気にしないでください。もう慣れっこですから?」
「その……こういう力仕事とかあったら遠慮なく俺を頼んでよ? こういうことぐらいしか取り柄がないしさ?」
「そんなことありません。だって、九豪君はクラスの中で一番話しかけやすいんですよ?」
「そんなことないよ? 俺なんて……」
手を動かしながら作業を続けていると、ふと外から何かの物音が聞こえた。音がしたのは外の拝殿の方からだ。
「なんだろう?」
まさか、泥棒か? 俺たちはいったん境内に出ると、目の前の社を見た。
「あ、もしかして……!」
すると、朱鳥は何かを思い出したのか咄嗟に走り出した。俺もその後を追った。
俺たちは、拝殿に入るとそのまま縁側を走り、本殿に通じる長い渡り廊下に出た。本来は本殿に向かうに
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ