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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第641話】
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わからない、嫌っていた可能性が高い。

 だけど――小さな綻びから入るように徐々に徐々にヒルトに惹かれる自分があった。


「……今更……遅すぎる。 ……それに、一夏……」


 一夏の名前を呟く――団体行動中の離反行為、前の箒なら庇っただろうけど今回はそんな気が起きなかった。

 今現在反省してる一夏の様子すら見に行かないぐらい――気持ちが離れてるのだろうか?


「……悩んでいても仕方ない。 皆が寝静まった後に相談するとしよう、ヒルトに」


 無意識下で既に頼り始めていた箒の心は確実に傾いていた。

 遠く離れたIS学園二年寮、自室でシャワーを浴びた楯無は着の身着のまま下着姿でベッドにダイブし、枕元にある携帯の画面をタップする。


「……件数〇……。 ヒルトくんからメールが無い……」


 むすっと頬を膨らませる楯無、修学旅行中は仕方ないとはいえ時間的に見れば今は自由時間。

 少しはメールぐらいくれてもと思わずにはいられなかった。


「むぅ……少しは連絡くれなきゃ、泣いちゃうわよ?」


 プンスカと憤りを見せ、ちょっと涙目になる楯無だが自分から連絡すれば何だか負けた気持ちになる。

 ベッドをごろんごろんと往復していたその時だった、ドアが蹴破られ、侵入者が楯無に襲い掛かってきたのは。

 相手は学園生徒――柔道着を着た二年生だった。

 不意をつき、寝技で仕留めようとするが楯無に通用しない。

 恋はすれども隙は見せない、好きという想いは見せるのだが――あっという間に制圧した楯無。


「はぁ……。 襲ってくるのがヒルトくんだったら……。 やん、ヒルトくんのえっち!!」

「ぐにゃあああああっ!?」


 関節を決められた生徒の断末魔が響き渡った。

 場所は更に飛ぶ、アラスカにあるIS委員会本部。

 SNSに取り上げられた『織斑一夏映画出演なう』の呟きやネットニュースの書類を見ていたレイアート・シェフィールド。


「……許可なくIS無断使用及び撮影……」

「そ、その様ですね。 会長……」

「流石にこれは見逃せないわ。 映画会社には撮影フィルムの差し押さえとチームの解散、応じなければ委員会の権限の元に裁判も有り得ると書面での通達を。 必要であれば声明も発表するわ」

「わ、わかりました。 失礼します」


 パタンと閉じられたドア――鏡を覗き込むと少し疲れた表情が見え隠れしていた。


「はぁ……。 会長職も楽じゃないわね」


 レイアートは小さなため息を溢し、改めて書類を見るのだった。

 場所は戻って旅館、シャイニィことにゃん次郎は眠気に負けじと一夏の部屋へと戻っていた。

 ご主人で
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