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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第641話】
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る鈴音はヒルトから見たらいつもより小さく見えた。
「風呂上がりか?」
「え?」
「髪、下ろしてるから」
「そ、そうよ。 何か文句あんの!?」
「文句はないさ、これがな。 時折下ろした髪を見てるが……似合ってるよな」
「……ほ、誉めても何も出ないわよばか……」
またそっぽを向く鈴音、だが面白いように顔が赤くなる彼女がヒルトには可愛く見えた。
一方の鈴音――似合ってると改めて言われて――。
(うわ、うわわっ。 ヒルトに似合ってるって言われちゃった……! か、顔がにやけちゃう……!!)
キュッと瞼を閉じ、ぺちぺちと叩いてにやけ顔を抑える鈴音の仕草にヒルトは首を傾げた。
そして鈴音は決意する――今夜、ヒルトの部屋に忍び込もうと――。
一方で旅館の風呂場、身体を洗っているのは有坂美春だった。
ごしごしと全身泡立てる彼女が元ISコアだと信じるものはどれだけいるだろうか?
全身についた泡を洗い流し、湯船に浸かる――ヒルトと一緒じゃないのが残念だけど彼女自身今夜ヒルトと一緒に寝るつもりだからあまり気にしてはいなかった。
「美春ちゃん、何か良いことあった?」
「ん? 何もないよ! あるとしたらヒルトと一緒に寝るだけかな〜」
「そうなんだ――って、えぇっ!?」
「さて、上がろ上がろ〜」
「ちょ、ちょっと美春ちゃん!?」
何処吹く風、我が道を行く美春――えっちな事を考えてるわけではなくただただ純粋にヒルトと寝たいだけだった。
様々な思惑が埋めく中、秋の夜風を浴びていたのは篠ノ之箒だった。
食事もそこそこ、風呂もそこそこに月明かりが射し込む庭園で火照った身体を冷ましている。
「……ヒルト」
不意に口に出したヒルトの名前に、箒はボシュッと湯気が出るぐらい赤くなり、ブンブンと頭を振った。
一夏の事が好きなのに、気付けば少しずつ、少しずつヒルトに支配されようとしている心が怖かった。
一夏には色々アプローチをした――ISの訓練、臨海学校でのキス未遂、夏の花火大会での告白未遂、一夏の自宅でのデート――とは名ばかりの昔話等々。
だけどその都度一夏とはただの幼なじみにしか思われてないのではと――不意にそう思ってしまう。
最大の障壁だった凰鈴音が一夏を諦めた時はチャンスだと思った――有坂ヒルトに惹かれた彼女が滑稽にも思えた。
其れ丈じゃなく、他の子、代表候補生達があんな落ちこぼれで私や一夏を非難するヒルトの何処に惹かれる要素があるのか理解できなかった。
……だけど、あれだけ無下にし、嫌な顔をしてたにも関わらずヒルトは気にせず話し掛けてきた――もちろん内心は
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