Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
Mission18「守りたい」
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れがあったとしてもサーニャが気づかないなど、到底ありえないはずだ。だが、仕込んだ可能性として残されているのは、やはり気付かれないレベルの改造でもされていたのだろう。見た目に影響を及ぼさないよう、丁寧に。
出来ることが不思議ではあるが、それは後で調べておくことにしておこう。まず先に、大鳳の修復だ。しかし、曖昧にも船体構造がわからない。だがいつ沈んでもおかしくない状態なのだ。
「そろそろ、鬼神が見えてくる」
そういうバルクホルンの言葉と同時に甲板からその風景を眺める。
たった数分の出来事に、なぜここまで強く引き付けられるのだろうか……。
◇
海に浮いてる私。たった数分で起きた出来事に対し、何とか理解する。
2人のウィッチがそれぞれ動いていることが確認でき、大鳳も視認出来たことから一安心する。だけれど、私は使った。TRANS-AMを使った事実は全く消えない。だが、これは何かに叛こうとしたことでもあったかもしれない。だけど――――――それがなんだ、悪いことなのか、いいことなのかわからない――――――
私は実体剣「星明」を見つめる。少し汚れた血の付いたそのTRANS-AM専用武装。これだけ、元に戻っていなかった。その剣は私に「使え」とでも言っているように。
ああ、そうなんだ――――――私は、誰かを守るためにTRANS-AMを使って、そしてまた自分を傷つけてるだけなんだ。自傷しているだけなんだろう。その傷は、簡単には消えないのに。
「私は………何のために、自分を傷つけるんだろう」
溢れんばかりの涙が目から零れる。こんなにも哀しい自分が、大嫌いなのかもしれない。
ただ、人として何かを守りたい。それが今はTRANS-AMとなって私に宿った。まだ早いなんて言われても、もう私には関係ない。
「提督…………私は、戦う理由を見つけた――――――
――――――提督を、みんなを守るため。私は、自分の体を犠牲にしてでも、ね」
無線にそれを入れて、私は静かに眠りに入った。
◇
「やったか……」
そう呟きようやく肩の荷が下りたような気分になった。無線のオープンチャンネル状態に気付いていないのか、照月の声が少し聞こえた。
機関の緊急修復が完了し、大鳳は何とか航行能力を取り戻す。後は我々が戻った後、しっかりと所属先に送り届けるのみ。
「何考えてたんですか?」
「ああ………照月がトランザムを使った理由、だよ」
その無線から聞こえた、守るために使う、という理由。やはり、艦娘とでもなれば一緒の理由に落ち着いたな、と思った。だが、自分にはそれが言えるのだろうか。
それは、軽く考えた程度で答えは出ない。なぜなら提督として選ばれし者だから、と
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