暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Sea 『空と海の境界線』
Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
Mission18「守りたい」
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


「――――――あ」
 憎破棲姫の実体剣が私の頬を掠める。それと同時に私の実体剣が憎破棲姫の頬を掠める。
 それを見つつもシステムからTRANS-AMの残り駆動時間を確認する。封印を解いたばかりでまだシステムの適応度が低いことから、残り140秒―――――――――だけど、余裕はまだある。憎破棲姫の剣さばきをうまく受け流しつつ、蹴りを加えようとする。

 その刹那、脚部艤装のブースターに動力を加えて推力をつけて蹴りを加え一気に距離を取る。ガンッ、とした鈍い音を出しつつ蹴りは憎破棲姫にヒットした。
 それにより憎破棲姫に対しての加速蹴りを可能としているが、TRANS-AM稼働時のみしか使えない事に若干の後悔を覚えた。そう考えながらも次のことに思考を加える。

「私には、守りたいものがあるから――――――だから―――――――」
 一気に加速し居合斬りの構図に持ち込むと、憎破棲姫の腹部の中央を正確にとらえて斬った。
 そこから黒い血が流れ出し、私の実体剣にも付着する。

 一瞬の静寂が訪れ、その隙に憎破棲姫は私にスナイパーライフルとレーザーライフルを交互に放つ。
 咄嗟に躱すがその先に予測していたのかもう1発レーザーが飛んでくる。TRANS-AM同士の戦いであることから相手も相当な手慣れだろう。実体剣で何とか防ぐと長10cm砲ちゃん2基を分離、自立稼働させる。


 そしてまた一瞬にして実体剣同士がぶつかり合う。魔法力によってぶつかり合った時の衝撃波が拡散し、それが海に伝わり波となる。それが味方に被害を与えなければいいが、与えてしまってもどうしようもない。
 お互い弾き返すとTRANS-AMの稼働限界を確認する。45秒――――――!まずい。コアを破壊しなくては――――――!そう思いつつ再び実体剣で仕掛ける。それがただ10秒ほどのことだった。

 ふと憎悪棲姫の攻撃の手が再び止まる。私は魔法がかかっているようにも見えたそのレーザーブレードを見る。いや、間違いなく放つかもしれない。咄嗟に実体剣を仕舞いCQCを仕掛ける。しかし抵抗も強く弾き返されるが、そのレーザーブレードを放たせずに胸部のコアを露出させるように羽交い絞めにした。

 まるで流星のように数秒で経過したその一瞬のことは、恐らく常人には理解できないだろう。瞬間的に叫ぼうと通信のスイッチを入れた。

「コアを――――――狙撃――――――」
 稼働時間が残り30秒を切った時のこと。

 ◇

『コアを――――――狙撃――――――』
 その通信が入ったのが今のタイミングだ。
 この声が誰なのかはもう分かっていた。だが、場所からしてとても狙撃が届きそうにもない。ウィッチも同じ、だ。
 ほとんどやろうにも賭けだ。これに時間をかけることは出来ない。だがふと考
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ