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TOHO FANTASY T
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した。
近くにいた人たちの悲鳴が飛び交う中、彼女はバイクで疾走していた。

A区の中央公園に到着し、バイクから降りると霊夢は文献通りの場所に赴き、そこにあった隠し扉の暗証を解除して、早速中に入っていく。明るい公園とは対照的に、薄暗い電気しか灯っていない暗い階段を駆け下り、2人は公園地下の巨大な空間に出る。

霊夢たちが来た瞬間、センサーが反応して巨大な空間に明るい電気が灯る。
目の前には、白と赤が気持ち悪いくらいに混ざった色をした、謎の芸術品があった。地面にコードの根を生やし、発芽したばかりの双子葉類を思い出される機械。葉の部分は手のように5本の指があり、計10本の指をくねくねさせていた。まるでフォービズムの芸術家たちがごっそり画題にしそうな、直感では捉えがたい偶像が眠っていたのである。印象的に残るそれは、まるで意志と表象に代表される論理の飛躍そのものであった。これはどう足掻いても我々が体現できるものでは無かった。決して──有り得ることがなく──。

「これが……GENESIS:CONCORDIA…」

CONCORDIAは目の前に現れた霊夢たちを、本部から送られてきた情報を元に敵とみなし、モーター音を響かせた。その図体を突如光らせ、神経という名の光ファイバーを起動させた。

──ウイイイイイイイイイイン!

CONCORDIAはそんな霊夢たちに向かってデータ化された情報を元に、攻撃を仕掛ける。2人に向かって炎を噴き出してきたCONCORDIA。霊夢はすぐに仲間を階段に避難させた。
目の前に存在するは、グロテスクな見た目と称されても不思議ではない物自体の恐怖体であった。──霊夢は数枚の札を右手で持った。相手を睨め、その勇ましさを体現させる事においては英雄の理屈に沿っていた。

「いいわ!私がやっつける!」

◆◆◆

足元から噴き出す炎を避け、霊夢はカードを掲げ、宣言した。その大きな声が閉鎖された空間に幾度も谺響する。

「霊符・夢想封印っ!」

霊夢の体から色鮮やかな光弾がCONCORDIAのあらゆる場所に炸裂する。CONCORDIAは攻撃を受けた影響で電流が少し漏れ、バチバチと音を立てるが屈しなかった。そんな霊夢に10本のくねくねした指先からビームを放ったのである。霊夢は10本のビームを自身の身体能力を生かして避けたが、ビームが当たったコンクリートの地面が幾つか溶けだしていた。
恐らくはとてつもない高温度を誇る熱線であろうか。それを許容するCONCORDIAの耐久性にも驚く観点は存在する…。

「完全に殺す気ね…」

霊夢は再びカードを構えたが、その隙にCONCORDIAは自身に込められたエネルギーを一気に射出する。それは巨大な破壊光線となり、霊夢に一直線で放たれた。

「仕方ないっ!夢符・
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