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何処かで仲間を見つけたものだと思います。救世主とでも讃えられているのではないのでしょうか」
「霊夢なら貪欲だし、そう言われて鼓舞されそうね。…わざと右手を火傷させて、ガイウス・ムキウス・スカエウォラなど大したこと無さそうに見そうじゃないの」
「幼少期のニーチェみたいですね」
テレビの中継を見ていた2人の元に、水色の帽子を汗だくにした「博士」が姿を見せる。博士は服までも濡らし、その疲弊を具現化させていた。テレビを見つめる2人は、彼女に丁重な挨拶を行う。
「あ、にとり博士。お久しぶりです」
神子はにとりに頭を下げると、にとりは「いや〜」と言いながら2人の元にやってきた。足は水に浸かったかのように汗が集積しており、真下には水溜まりが出来ていた。
「今、霊夢たちがきっと向かっている先はA区の中央公園だよ、きっと……仕組みに気付いたようで」
「あそこの下には「GENESIS:CONCORDIA」があるわ。……それを破壊するつもりってことかしら?」
「そう。それを壊せばC区の管轄の奴隷たちの力が一気に舞い戻って、奴隷たちは大暴れだ。…だから神子、あなたを派遣しておきたいのよ」
「わ、私ですか?」
「そう。…まあGENESISもただのスーパーコンピュータじゃない。私が事前に「EXGENESIS.exe」と情報を送っておいたから、霊夢も少しは苦戦するはず。──あれを壊されたらこっちが大変だ。神子、あなたに行ってもらいたいのよ」
「…わ、分かりました!行ってきます!」
神子はにとりの言葉を受けて、すぐにA区の中央公園へと向かった。残ったパチュリーはつまらなそうな顔立ちを浮かべ、テレビを見直した。相変わらずマスコミは霊夢の逃亡劇を捉えている。博士は去り際、静かに「別に対策は施してあるんだよね…」と呟くも、誰にも聞こえることは無かった。
◆◆◆
追ってくる警察たちを夢想封印やお札で撃退しても、限りなく警察は追いかけてくる。やがてはパトカーや白バイに乗っていた警察官も銃で霊夢たちに向かって発砲するが、仲間が巧みな運転で回避しつつ、霊夢の夢想封印で片づけていった。どうもこの近代世界では魔法という超常現象は把握され難いらしい。ポストモダンにとって非現実的な物事など、不合理的な具象としか捉えられないのである──。
さらには上空を舞うヘリコプターからも機関銃で撃ってきたのだ。霊夢は自己の前に作り出した二重結界、もといバリアで何とか持ちこたえると、機関銃で撃ってきたヘリコプターに容赦なくお札を投げた。彼女の投擲したお札は忽ち魔力を持ち、一種のミサイルと同等の威力を誇った。空気抵抗さえ無視する物理的現象の逸脱された札は、その正確たるやプロペラの駆動部を当てられ、故障したヘリはそのまま市街地に墜落して爆発、炎上
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