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。…これで壊しに行けると思う」
「私もC区管轄の奴隷なので…すみません!手伝わせてください!」
仲間が突如霊夢に頭を下げたので、霊夢は戸惑ってしまう。彼女には別に感謝されない欲望も無いとは言えないが、これは自分のためにやっていたようなものである。連れ去られたチルノやレミリアを追い掛けるべく、その手に意思を握りしめた事の話の延長線に過ぎないのだ。事の所以、彼女が頭を下げてまで協力を要請することは全く予想だにしていなかったのである。
「て、手伝わせてください、って…」
「ここからA区の中央公園までは結構な距離がある上、この家にはバイクがあります。そのバイクを盗んで、一気に中央公園へと向かいましょう!…電車で行こうとしても、ここにお金はないので、今はこれしかありません!それにあなたは超能力をお持ちと聞いたので……私が運転して、あなたが追ってくる敵に向かって攻撃するんです!」
仲間は霊夢にそう言うと、霊夢も欲しかった情報を得られたことに満足していた為、承諾することにした。もう彼女も、別に抗うことへの恐怖心は忽ち消えたようである。ここまで大胆に来れる事はそうそう無いだろう。
「そうね。…それで早く奴隷を解放するわよ!」
「はい!」
仲間はすぐにバイクのキーを取ると、家の横のガレージに保管してある「PYT研究所」と刻まれたバイクにキーを差し込む。バイクはすぐにエンジンを唸らせ、仲間は椅子の前方に座っていた。バイクは黒を基調としたアメリカンのものである。霊夢はその厳ついイメージから、とても手強そうなバイクに思えた。ヘルメットを手渡された霊夢はそれを被る。仲間も被ったところで、準備は完了した。
「私が後ろに座って、いざとなった時に戦えばいいのね?」
「はい!私は中央公園まで行けますので、フォローお願いします!」
そしてガレージから、2人乗りのバイクが出発した。その図体から簡単に予測できる巨大な轟音と共に、彼女たちは走り去ったのだ。
◆◆◆
「見つけました!脱走犯!脱走犯と思われる女が仲間と共にバイクで逃走しております!進路方向はA区方面!只今警察が追いかけておりますので、近隣の皆さまはどうか避難してください!」
PYT研究所のテレビに映し出される、マスコミの報道。マスコミは逃走するバイクにヘリコプターで追いかけ、空中から撮影していた。テレビの中では1台のバイクが10台以上のパトカーに追いかけられている。
「……霊夢、一体何処に向かってるのかしら?それに前に乗ってるあの女は誰よ?」
パチュリーはそう呟くが、神子は分からなかった。呑気そうにジュースを飲みながら観るテレビは、些か機嫌良いものであったが、何せ報道内容が積み上げてきた機嫌を一気に真っ逆さまにする。
「分かりませんが、
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