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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十三話 また会うために
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は戦ったんだよね」

「ああ。 出会ったのは、街中でちょっとぶつかった時だけどな」

 そう。

 ここは俺とフェイトが、まだお互いの事も知らなかった時、ただ敵だと判断して戦った場所だ。

 あの時から、気づけば今日まで色々あったなと、また思い出してしまう。

「今度、アルフも連れて一緒に来ような」

「うん。 あと、お姉さんも一緒に」

「ああ。 きっと、姉さんも喜ぶよ」

 今日は気を使って俺たちだけにしてくれたが、今度は四人でこの場所を訪れよう。

 そしてまた、語らい合おう。

 今度はきっと、今より楽しい時間になる。

 今より明日。

 明日より明後日。

 未来はきっと、現在より楽しい時間になるって自信があるから。

 そのためには、

「フェイト」

「何?」

「今日、俺をデートに誘ったってことは、しばらく会えなくなるってことだろ?」

 ちゃんと、終わらせることは全部終わらせなきゃな。

「……お兄ちゃんは、すごいね。 私の考えてること、いつも全部分かってる」

「フェイトがわかりやすいだけだよ」

「酷い」

「ごめんごめん」

 表情一つ変えず、俺たちはそんな他愛もない会話を交わし、少しだけ沈黙した。

 どちらから言葉を紡げばいいのか、ちょっとだけ戸惑ってしまったんだ。

 それでも、先に口を開いたのはフェイトだった。

「クロノから連絡があって、今日、アルフと一緒に管理局に戻るんだ」

「そうか」

 それは恐らく、ジュエルシード事件に関しての裁判に出頭するようにと言う命令が来たのだろう。

 首謀者のプレシアは行方不明となり、重要参考人はフェイトとアルフだけだからな。

 そして俺は長期休暇扱いで、書類上では事件に直接的な介入はしていない扱いになっている。

 つまり、俺とフェイトはここからしばらくの間、会えなくなるわけだ。

 そんな日が来るのが分かっていた。

「裁判、いつからだ?」

「来月くらい」

「そっか」

「でも、裁判自体はすぐ終わるみたいで、終わったら私……アルフと一緒に管理局の嘱託魔導師登録をしようと思うの」

「なんでまた?」

「私は今回の事件で迷惑をかけたから。 今度は、役に立てることがしたいの」

「……そっか」

 それは、俺が一度も相談されなかったフェイトの未来。

 兄になったのだから、一度くらいは相談して欲しいものだと思ったが、それはそれで俺に甘えすぎなのだろう。
 
 自分の生き方は自分で決める。

 フェイトはそれを実行している。

 ならばそれをさみしいとは思わず、兄として喜ぶべきだろう。

「フェイト、頑張れ
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