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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十三話 また会うために
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に出した彼の素の笑顔だった。

 ――――ちなみに普段の彼なら、この三名のストー……ではなく尾行にも気づいているのだが、今日に限ってはそういうのも忘れるほど楽に過ごしている。

 それを見て少女たちがキュンとしたのはさて置き、そんな笑顔を向けてもらえてるフェイト・テスタロッサが羨ましくてしょうがないのだ。

 自分にもその笑顔をぶつけて欲しい。

 そんな独占欲が三人の心の大半を占め、しかし僅かに残された理性がそれを堪えさせていた。

 そう。

 黒鐘とフェイトのデートには、ちゃんとした理由があるのだ。

 それを知っている三人だからこそ介入せず、二人の笑顔を遠くから見つめていた。

 二人とも、苛烈な日々を過ごしていた者同士だ。

 二人とも、親を失い、居場所を失い、互いの目的のために争ったこともある。

 そんな二人が手を取り合い、こうして義兄妹になって仲良く歩いている。

 それを見て、憧れ以上に平和になったことが嬉しかった。

 自分たちもそのために戦っていた日々がある。

 それらが全て、この瞬間のためにあったと思えば、今までの苦痛も少しは報われるだろう。

 そう思いながら二人の後をつけ、そしてやっぱり思ったのは、

「「「いいなぁ〜!!」」」

 そんな幸せな日常に入り込めない、二人のイチャイチャ空間への嫉妬だった。


*****


 歩いて最初に到着したのは、潮風が気持ちいい海岸だった。

 テトラポットに波がぶつかった音が癒しなのと、ここにはちょっとした思い出があったから訪れたのだ。

「ここ、俺が始めてなのはと出会った場所なんだ」

「あの子と?」

「ああ。 フェイトと仲良くしたがってた茶髪の子……まだ、アイツが魔法に目覚める前のことなんだけどな」

 波打ち際を歩きながら、俺はなのはとの出会いから今に至るまでを話した。

 最初は苗字で呼んでいたこと。

 ジュエルシードを最初に発見して、一緒に探したいとお願いしたこと。

 なのはの実家で一緒に夕飯を食べたこと。

 思い出せば案外、短い期間なのに色々な出来事があったものだと感心する。

 地球で最初に仲良くなった相手も、そう言えばなのはだ。

 アイツがいたから、すずかとアリサとも知り合えた。

 改めて思えば、なのはとの出会いが全ての始まりだったかもしれない。

 この場所で叫び続けていた少女の姿は、今でも昨日のことのように鮮明に思い出せる。

「むぅ……」

「ん、どうした?」

 懐かしいことを思い出しながら語っていると、俺の右腕を抱きしめる力強くなり、そちらに視線を移すと膨れっ面でこちらを睨むフェイトがいた。

 いやまぁ、右
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