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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十二話 後始末
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覚めていたら、なんて言っただろう。

 ――――い、いもうと!? わ、私達、お兄ちゃん、お姉ちゃんとして頑張らなくちゃね!!

 なんて、かなり動揺しながらも受け入れてくれるだろう。

 眠っている姿はとてもクールな印象を持たれやすいが、素はかなり表情・感情ともに豊かで騒がしい方だ。

 きっとみんなは驚いて、でもその接しやすさに馴染んでいくことだろう。

 姉さんはそうやって不思議と、誰とでも仲良くなれる才能を持っているから。

 名前にあるように、海のように広い豊かで穏やかな心の持ち主だから。

「そんな黒鐘のお嫁候補の逢沢 雪鳴です。 不束者ですが、よろしくお願いします」

「おい」

 そんなほっこりとした空気をぶち壊す雪鳴の発言が、この場にいた全ての少女たちの心に火をつけてしまった。

「わ、私だって候補です!! 高町 なのはです、よろしくお願いします!」

「い、いや、待てって……」

「わわわ、わたしゅ……私だって、お兄ちゃんのお嫁さんになりたいです! 逢沢 柚那です!」

「落ち着けって」

「私も、今は義妹だけど、将来は妻になりますフェイト・テスタロッサです」

「フェイトもか!?」

 少女たちは何度目になるか分からない挨拶をすると、互いに警戒しながらにらみ合い、火花を飛ばしあっていた。

 俺が声をかけても無視されているあたり、どうやら少女たちは敵しか認識できないほど集中してしまっているようだ。

「なんでこんなこと……」

「今に始まったことじゃないからね?」

 病室の隅っこに移動して悩むと、人間の姿のユーノが肩を叩きながら呆れ混じりに言った。

 アルフも俺の隣に立ち、フェイト達のにらみ合いを苦笑しながらも傍観していた。

「フェイト、プレシアの時もそうだったけど、好きな相手には真っ直ぐな子だから」

 と、流石この場で誰よりもフェイトを知ったる使い魔は冷静に語る。

 アルフがあの輪に混ざらないでくれたことが唯一の救いなきがする。

 俺とユーノだけじゃ荷が重すぎる。

「え、僕は無関係でしょ?」

「裏切り者ぉ!!」

 真顔で両手を振って『え、巻き込まないでよ』とジェスチャーするユーノを心の底から呪う。

 ならばアルフと一緒に頑張って止めるしかな

「アタシはフェイトの味方だから戦力にならないよ?」

「役立たずめがぁ!!」

「あ、ちょ!?」

 味方と思っていた二人に裏切られ、世界に絶望した俺は今持てる最速を持って四人の背後に周り、

「にゃ!?」

 なのはを、

「っ!?」

 雪鳴を、

「へう!?」

 柚那を、
 
「はう!?」

 フェイトを、

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