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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十二話 後始末
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当に裁くべき相手を裁けたはずだ。

 プレシアがそうしなかったのは、きっと疲れたからだろう。

 最愛の娘のために費やした努力によって、最愛の娘を死なせてしまった。

 そう思えば、誰かを責めるなんてやってられなかっただろう。

 それでもほかの資料によれば、左遷された研究所でプレシアは数々の実績を残している。

 まるで研究に取り憑かれたように働いていたことだろう。

 資料だけ見れば、仕事をきっちりこなしているから立ち直っていると予想してしまう人もいるだろう。

 だけど……きっと、この時すでに狂っていたのだろう。

 アリシアを取り戻すための研究を、死者蘇生の研究をしていたのだろう。

 そして見つけたのが、一つ一つが大きな規模の次元震を発生させるほどの高エネルギーを持つロストロギア、ジュエルシードだった。

 その後の話しは知っての通りだ。

 では次に事件その後の話をしよう。

 俺たちがプレシアと話をした場所、『時の庭園』の内部を調査したところ、エネルギーを失った十二個のジュエルシードが発見された。

 俺とフェイトがプレシアに渡したものだろう。

 エネルギーがなくなっており、プレシアとアリシアが発見されなかったということは、恐らくそういうことだろう。

 プレシアが目的の場所に辿りつけたかどうかは分からない。

 むしろ確率としてはゼロに限りなく近いと、リンディさんとクロノは語っていた。

 それでも俺は願わずにはいられない。

 最愛の娘のために起こした数多の大罪。

 その果てが、せめて地獄ではなく、彼女が望む理想郷であって欲しいと。

 プレシアとアリシア、そしてイル・スフォルトゥーナと、イルが所有していた残り九個のジュエルシードは行方不明。

 この事件に関わったフェイト、アルフを除いた全ての容疑者が行方不明と言う後味の悪い結果に終わった。

 だが、今回の一件を通して俺が調べたプレシアの経歴と、駆動炉の開発で発覚した数多のミス、偽装、隠蔽が決定打となってアレクトロ社の上層部のほぼ全職員が逮捕されると言う、歴史上最大の事件は解決した。

 これでせめて、同じような事故で誰かが悲しむことはなくなるだろう。

 こうしてジュエルシード事件と、駆動炉開発事故は終わりを迎えることとなった。

 終わり良ければすべて良し。

 そう思うことができたかどうかと問われれば、良かったと言い切ることはできない。




*****


 全てが片付き、俺も入院生活やら書類業務やらが終わって数日が経過した。

 病室でリンシアさんにまた入院ですか? と呆れ混じりのお説教を喰らい、ケイジさんからはプレシアを逃したことで厳重注意を受ける
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