33 記念
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
藤木と笹山、それぞれの家族はレストランで食事をすることになった。藤木はラーメン、笹山はコロッケ定食を食べた。
「かず子は藤木君とホント仲がいいのね」
笹山の母が言った。
「うん、藤木君は初めて会った時から私の大切な友達だもん」
「えっ!?」
藤木は笹山の発言に驚いた。
「藤木君は私の事好きになってくれてるし、それに優しいし・・・。ね、藤木君?」
笹山はやや照れながら言った。
「う、うん・・・」
藤木も非常に恥ずかしくなり、赤面してしまった。
「茂、そうだったのかい?」
藤木の母もこの事実を知らないようで驚いた。
「う、うん・・・」
「いや、ごめんね、こんな子が人を好きになるなんて、この子ったら学校で卑怯って呼ばれてるし、こんな子から好かれちゃ、迷惑じゃないのかい?」
藤木の母がやや申し訳なさそうに笹山に聞いた。
「いえ、そんな、迷惑なんて・・・、それに私は藤木君は卑怯だとは全然思っていませんから安心してください」
「笹山さん・・・」
(ああ、笹山さんにこんなに良く言われるなんて、嬉しいけど、母さんと父さんに知られて、なんか自分がみっともないなあ・・・)
藤木は両親に笹山を好きになるなんてとんでもなく思われるから諦めろと迫られるのではないかと不安に思った。
「へえ、藤木君はかず子のどこが好きになったんだい?」
笹山の父が藤木に聞いた。
「それは・・・優しいところです。いつも卑怯と呼ばれて、スケート以外何の取り柄もない僕にもいつも笑顔を見せてくれるからです。初めて会った時も、僕を心配してくれていましたし・・・」
(藤木君・・・)
笹山は藤木に自分のいいところを言われて、己の藤木への主観と重なり合っていることに改めて感じた。
「それじゃあ、かず子も藤木君も優しいもの同士だね。二人とも将来いい夫婦になれるかもな」
笹山の父がからかった。藤木の心臓が大きく揺れる。
「ちょっと、やだお父さんったら・・・」
笹山が恥ずかしくなった。
(笹山さんといい夫婦になれるのかな・・・)
藤木は顔がにやけていた。
「おい、茂、何ニヤニヤしてるんだ?そんなに嬉しいのか?」
藤木は父親に現実に戻された。
「あ、そ、その・・・」
藤木は答えられなかった。
「藤木君、かず子と仲良くなってありがとう。またいつでもうちにも来てね。お菓子作ってご馳走するわ」
笹山の母が藤木に行った。
「は、はい、ありがとうございます」
「藤木君、次ジェットコースター乗ろうよ!」
「う、うん、そうだね・・・」
一行はジェットコースターの乗り場に並んでいた。
(う・・・、怖いな・・・)
藤木は怖さで震えていた。
「藤木君、もしかして怖いの?」
「い、いや、そんなことないさ!」
藤木は笹山
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ