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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン80 学園英雄と邪魔の化身
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マ・イエローを守備表示で召喚し……さあお前ら、出番だ!」
『『『りょ〜か〜い!』』』

 万丈目の掛け声におジャマ3兄弟が宙に舞い、互いの尻をくっつけるようにして輪っかを作るとそこから高速回転を始める。もはやあまりの回転の速さに3体それぞれの顔すら識別できなくなったところで、輪っか自体が1つの生物のように動きだした。テンペスターを囲むように移動すると、その中のテンペスターどころか周りの摩天楼まで崩壊を始めていく。

『ついに全国デビューだー!』
『俺達兄弟の絆の力!』
『たっぷり見せてあげるわよ〜ん!』
「魔法カード、おジャマ・デルタハリケーン!!おジャマ・イエロー、ブラック、グリーンの3体が場に存在するとき、相手フィールドのカード全てを破壊する!」
「おじゃ万丈目、これは凄い!逆転に次ぐ逆転、これにより十代君の場は一気にがら空きだーっ!」
 
 戦闘破壊耐性を得たテンペスターといえど、効果破壊に対しては全くの無力。3体揃ったおジャマ達の不思議な力に、十代の場のカードがすべて吹き飛ばされていった。やがて自分たちの仕事の結果に満足げなおジャマ達がようやく回転をやめて着地し、万丈目の元に戻っていく……だがその途中で、ふとイエローがあることに気がついた。

『ねえ万丈目のアニキ、ちょっといい?』
「なんだいきなり、やかましい。今は本番中だぞ」
『もう〜、それはわかってるわよ〜。でもアニキ、もう手札が1枚もないじゃない?おいら達は次のターン、どうすればいいのさ』

 その質問に万丈目はちょっと眉をひそめ、なんだか随分と久しぶりに見る悪人面をしてみせる。

「俺が知るか、そんなこと。せいぜい狙われるのが自分じゃないことを祈ってるんだな」
『『『……』』』

 実にあっさりと、なんてことないように言い放たれた内容に、最初3兄弟がそれぞれ顔を見合わせる。それから数秒後、少しでも自分が他の2人の後ろに隠れて次のターンをやり過ごそうとする醜い争いが始まった。……兄弟の絆の力、ねえ。
 とはいえ、それはあくまで精霊の視認できる僕らだから見える世界での話。アカデミアのほとんどの観客も、レポーターのお姉さんも、自分たちが全国放送に兄弟喧嘩を流していることなど気づいてすらいないだろう。ちょっとソリッドビジョンが荒ぶってるな、程度の認識止まりのはずだ。
 まあそれはさておき、イエローの指摘通り手札の無い万丈目にはこのターンできる事は既にない。ターンプレイヤーは再び十代に移り、本人公認の奇跡を呼ぶドローが行われる。

「俺のターンだな。魔法カード、ミラクル・フュージョンを発動!」
「十代君、ここに来てまたもや怒涛の引きの良さを見せる!ミラクル・フュージョンは通常の融合とは違い、ヒーロー限定となった代わりにその素材を墓地からも選ぶことが
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