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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン80 学園英雄と邪魔の化身
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攻3000→E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻2700
 十代 LP400→100

「十代君、健闘していますがもはやそのライフは風前の灯!果たしてもう1度奇跡は起きるのか、それともこのままおじゃ万丈目が勝利の栄光を手に入れるのでしょうか!」

 攻撃の無敵化は使い切りのトラップ、これで十代にこれ以上身を守るすべはない。でも、これまでも十代はそんな状況から何度も奇跡の大逆転を成し遂げてきた。次のターンにまた逆転が成り立つのか、それとも万丈目がそれを耐えきるのか。いずれにせよ、次の十代のターンで全てが決まる。

「さあかかって来い、十代。カードをセットしてターンエンドだ」

 万丈目からの誘いに一度目を閉じてからデッキに手をかけ、深呼吸する十代。沈黙の一瞬の後カッと目を見開き、勢いよくカードを引いた。

「俺のターン、ドロー!……魔法カード、R−ライトジャスティスを発動!このカードは発動時に俺のフィールドに存在するE・HEROの数だけ、場の魔法・罠を選んで破壊する。選べるカードは1枚……おジャマ・カントリーを破壊、これによりすべてのモンスターの攻守は元の数値に戻る!」
「ここでそんなカードを引いたか……!」

 十代のラストドローは、おジャマ・キングの攻撃力がシャイニング・フレア・ウィングマンのそれを上回っているという前提そのものを覆す魔法・罠破壊カード。頼みの綱だったカントリー消滅により、全てのモンスターの攻守が元々の数値へと入れ替わっていく。

 おジャマ・キング 攻3000→0 守0→3000
 おジャマ・ブルー 守0→1000 攻1000→0
 E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻2700→3100 守2500→2100

「これが最後のバトルだな。シャイニング・フレア・ウィングマンでおジャマ・キングに攻撃、シャイニング・シュート!」
「確かにこれが最後のバトルだ十代、ただしお前にとってのな。リバースカーd……何!?おい、どういうことだ……?」

 攻撃に合わせ、最後の伏せカードを使おうとする万丈目。だが突然、その動きが止まった。着ぐるみの耳の部分を押さえつけ、慌てた様子で何かを問いかける。恐らく、この距離だと観客やお姉さんにはあの声は聞こえていないだろう。現に隣のクロノス先生も、万丈目のおかしな様子には気が付いた風もない。ダークシグナーゆえの向上した身体能力の持ち主である僕だからこそ、辛うじて耳に入ってきたようなものだ。
 結局、そのまま光り輝くヒーローの攻撃はおジャマ・キングに命中した。どこかスッキリしない物を残しながらも、勝負はついたのだ。

 E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻3100→おジャマ・キング 攻0(破壊)
 おじゃ万丈目 LP1
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